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どんな世界にもマニアの領域が存在する

ホントに映画の好きな人とは話していてすぐにわかる。

マンガの好きもたぶん同じだろう。お互いに波長の合う感じがするはずだ。ぼくはそこまでのマンガ好きではないので、本物のマニアからは「ライトファンだな」とわかると思う。

ゲームも同じだ。コアなゲーマーから見ればぼくはゲーム好きとは言えない。ただし、コアな人が良くてライトな人がダメだと言っているのではなく、いろんなつきあいかたがあっていい。ぼくは毎日ゲームを30分から1時間プレイするが、これはこれで一つの楽しみ方だ。

ちなみに自転車に乗るのも好きだがママチャリ愛好家であり、ロードレーサーに乗っているわけではない。

こういうふうにいろんな付き合い方があっていい一方で、コアなファン同士だけに通じる「あんたも相当好きですな~」的領域はどの世界にもあると思うのだ。

ちなみに、気分を害する人もいるかもしれないが富士の青木ヶ原「樹海マニア」というのもいるらしい。「事故物件住みます芸人」としてブレイクした松竹芸能の松原タニシさんがラジオで言っていた。

樹海で遺体を発見し、それを目にしながら焼きそばパンを食べるのが好きという樹海マニアがいるのだという。れっきとした会社役員で、樹海にすばやく通うためにポルシェを購入しているそうである。

また同じく樹海で死体の周りの遺品を物色していろいろと空想するのが好きというオタクな人もいるそうで、二人は一緒に探索する。風を読み、遺体の匂いで探し当てるのだそうで個人的にはかんべんしてほしいけど、彼らだけに通じ合う世界がきっとあるのだろう。

嫌な話ですいません。しかし根本は同じだ。わかりますよね。

さて映画に話を戻すと、蓮見重彦 元東大総長は世間では大の映画好きとして知られる。「ただもうひたすらタフなオッサン」にすぎないというウワサも聞こえてくるが、ぼくがとやかく言えないレベルのすさまじい映画好きなのはまちがいない。その迫力は樹海の焼きそばパンに匹敵する。

それはともかく、一時期 蓮見さん風の映画通が増殖したことがあり、そういう人と話すと「ははぁ、この人は映画が好きなのではなくて蓮見さん風を気取りたいのだな~」とわかることがあった。

それはそれでいいんだけど話がかみ合いそうでかみあわない。たとえば蓮見さんのほめる「ダーティ・ハリー」第1作を激賞するようなことを言うのだが、でもドラマ「スタスキー&ハッチ」の主役が悪役を演じた第2作も捨てがたいのではないかというとまったくノッてこない。でも「ダーティ・ハリー」は第1~第5作までそれぞれの良さがあり、どれもいいのだ。

第5作でハリーのクルマは爆弾を積んだラジコンカーとサンフランシスコ市街をカーチェイスする。このシーンは、スティーブ・マックイーンの『ブリット』風で楽しい・・というようなことで盛り上がりたい。

僕の考える「あんたも好きですな~」的映画好きの条件は以下である。

・チャップリンやヒッチコックを愛する
・スターウォーズや007を愛する
・ゴダールやフェリー二を愛する
かつ
・「13日の金曜日」の第1作から第8作でどれがベストかについて独自の見解を持つ

ただし「13日の金曜日」である必要はなく、スティーヴン・セガールの「沈黙シリーズ」でも市川雷蔵の「眠狂四郎シリーズ」でも、勝新太郎の「悪名シリーズ」でもよい。

というわけで映画の神ロベール・ブレッソンの「田舎司祭の日記」がPrimeビデオで公開されたことをみなで喜びつつ、「13金」はジェイソンのキャラが完成したPart4(完結編)をベストとすべきではないかと主張してしめくくりたい。


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