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ぼくがまちがっていた

今日の記事は「お詫びと訂正」です。でもまずはアベノミクス批判から!

アベノミクスは、金融市場にジャブジャブとお金を注ぎ込んだわけだけど、あれは「トリクルダウン理論」というのにもとづいてやっていたのである。

トリクルダウンとは「金持ちが豊かになるとその余波で貧乏人も豊かになる」という経済の考え方だ。"トリクルダウン"とはしずくが垂れるという意味で、富める者が富めば、貧しい者にも自然に富がこぼれ落ちてくるという考えであり、ぼくのそぼくなイメージではドンペリのシャンパンタワーに近い。

金持ちがさらに金持ちになってシャンパンタワーをバンバン頼んでくれたら、ぼくみたいな貧乏人も1杯くらいはドンペリが飲める。そういうイメージだ。

しかし失敗した。トリクルダウンは起きなかった。金持ちと貧乏人の格差は拡大し財政が悪化し、トリクルダウンはいまでは時代遅れの考えとされている。

トマ・ピケティの『21世紀の資本』という本が一時期はやったけど、あれは、資本主義社会においては経済格差は広がる一方だということを過去300年のデータにもとづいて論証した本である。

そういうわけでアベノミクスは失敗したわけだがいまだに「アベノミクスはうまくいった」と主張している人が身近にいたらよく観察してみてください。ほかのことでも自分や他人にちょいちょいウソをつくタイプの人だとわかるでしょう。

・・さて、そうやって他人をウソつき呼ばわりしておいてから「お詫びと謝罪」へ向かおう。

経済の世界でトリクルダウンはおこらなかったのだが、コンテンツの世界ではわりによく起こるみたいだ。

たとえば、ジャズなどというマイナーな音楽でレコード会社は採算を取れていない。小室哲哉さんみたいな有名アーティストがミリオンセラーを飛ばしてレコード会社全体がもうかって、そのおこぼれがトリクルダウンして「チャーリー・パーカー・オン・サボイ・マスターテイクス」などというモノ好きしか買わないアルバムがリリースされる構造になっている。

しかしこないだのnoteでぼくは逆のことを書いた。映画の世界でも格差が拡大していると。

たとえば、いまアマゾンプライムビデオではデジタルリマスターされた007シリーズ全24作品が一挙公開されているが、その一方で渋いフランス映画は高い金を払わなければ見れない。エリック・ロメール監督の『海辺のポーリーヌ』を見るには1万2000円払ってDVDを買わなければ見ることができない。

いま007はタダ同然で見れるが、『海辺のポーリーヌ』を見るには1万2000円かかるということだ。(マイナーな映画に明日はあるのか

しかしあとでわかったのだが、『海辺のポーリーヌ』もいまアマゾンプライムでタダ同然で見れるんですね(汗)。

いやあいい世の中だなあ。すばらしいことですよね(汗)。

しかし『海辺のポーリーヌ』単体では採算が取れていないはずだ。プライム会員が増えたからマイナーな映画も見れるようになったわけでズバリおこぼれだ。ジェフ・ベゾスが宇宙旅行に行けるくらいの金持ちになったおかげで僕の口元までドンペリのしずくが落ちてきたわけである。

というわけでぼくがまちがっていました。どうもすいませんでした!

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コンテンツの世界ではトリクルダウン効果が起こる模様です。もちろん、埋もれている作品はまだまだたくさんある。しかし『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』ですら100円でレンタルできるようになってきたので日本の夜明けは近い。


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