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いつの時代でも地雷を踏むと爆発する
昭和のころは、ひとり暮らしの女性が
男性を家に泊める = 体を許しているのと同じ
という価値観があった(のだそうだ)。でも今の若い人は、
男性を部屋に泊めてもなにもない
のがあたりまえなのだという。そういう世代間ギャップの話をしている動画があっておもしろかった。
これを見ていて思い出したんだけど、かつて女性の家に泊めてもらって、カオスな体験をしたことがあるので書いてみる。
1.わたしはこうして地雷を踏みました
ぼくはかつて
泊めてもらったのになにもしなかった
ことで地雷を踏んだことがあるんだけど、状況が特殊なのでまずは前提から説明しなければならない。「酔った帰り道に家に上がりこんだ」などというありがちなパターンではない。
留学中に一時帰国した時のことで、一時帰国だからとうぜん自分のアパートはない。しかしお金はないのでホテルには泊まらず、友だちの家を泊まり歩いていた。
基本は独身男性のところに泊まるんだけど、独身だった男が結婚した場合は、夫婦の家に泊まりこんだこともある。つまりいろいろな状況が連続していたわけで、そのうちのひとつがたまたま年上の独身女性の部屋だったのである。
しかも、いきなり訪ねていってひとりで泊めてもらったわけではない。いくらなんでもそんな度胸はなくて、彼女の家で鍋パーティーをやり、みんなが帰った後で泊めてもらった。
もともとよく上がり込んで鍋パーティーをやっていた仲なので、なんどもお邪魔したなじみのある家である。そういう状況で泊めてもらったのである。
しかし深夜の零時を回ったころ、となりの部屋で寝ていると、いきなり彼女が彼氏らしき人に電話をかけて家に呼びつけ、そして怒りだしたのだった。
くわしい話の内容は聞こえなかったけど彼女はひたすら怒り狂い、彼氏はふんふんと話を聞き、ぼくはひたすら寝たふりをしているという、たいへんに気まずい状態が朝まで続いた。
2.彼女の心理、彼氏の心理、ぼくの心理
かりにぼくがその女性に指一本でも触れていたとしよう。その場合は、彼氏に知らせたりしなかったはずだ。
彼氏を呼び出したということは、逆に言うと、
指一本は触れられるつもりだった
ということの表れだということになる。
こちらとしては鍋パーティーのあとだったし、いろんな家に連泊していた中の一軒にすぎないんだけど、とはいえ「こちらとしてもぜひ!」という相手だった場合は
家に泊めてくれたのだからOKだと考えていいだろう
という風に都合よく解釈していたかもしれない。つまり、
好意で泊めてくれている
と思っていた時点で、もしかすると自分に都合の良い解釈を下していたのかもしれない。その点に彼女は「失礼しちゃう!」と頭にきて「深夜の彼氏呼び出し」という暴挙につながったのではないだろうか。
一方、彼氏としても、夜中に呼び出されて、隣の部屋に男が寝ているのを見れば
オレに内緒で男を引っ張り込んだな・・
とわかる。しかし、指一本触れていない清い状態の僕に向かって怒るわけにはいかない。そもそも、なにかが起こっていれば呼び出しなど食らっていないのだ。
とはいえ彼女のほうは指一本触れられていないことを怒っているのであり
二股をかけて失敗した怒り
を彼氏にぶつけているわけだ。と同時に、隣の部屋で寝ている(フリをしている)ぼくに対しても
私には付き合っている人がいるのよ
ということをあてつけているというたいへんカオスな状況だ。
3.いつの時代でも地雷を踏むことはある
今から20年前の話だけど、当時だって
女性の家に泊めてもらったら襲わなければならない
などというルールがあったわけではないし、また今だって独身女性の家に泊めてもらった男性のうち
100人中100人がなにもない
などというわけがないだろう。ケースバイケースなのは変わらないはずなんだけど、バランスがちがうのかもしれない。
いまなら100人中80人がなにもなかったかもしれないが、当時は、それが100人中20人だったということなのだろう。だとすれば、今なら
泊めてもらってもなにもしない
ことを選んだ男性は80%の確率で正解するけど、当時、泊めてもらった男性が「動かない」を選択した場合、
80%の確率で地雷を踏む
ということだった気がする。
「動かないほうが正解」の時代になったということは、いいかえれば「男性の勘違いによる性暴力」が見過ごされない社会になったということなので、それはいいことだ。
ただし、いつの時代であろうと100%の正解はない。地雷を踏むと炸裂するのは同じだ。
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