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ヤンキー化する社会

戦前の日本には右傾化という動きがあったが、最近の日本は全体として「ヤンキー化」していると思えてならない。

1990年代あたりには世の中がオタク化した時期があったが、あんな感じで、現在は、社会全体が「ヤンキー化」しているのではないかと思える節がある。

ふつうの人がヤンキー化している

マイルドヤンキーという言葉がはやったけど、この言葉にだまされてはならない。

字面だけ見ると、「セブンスター」がマイルド化して「マイルドセブン」が生まれたように、ヤンキーがマイルド化してマイルドヤンキーが生まれたかのように思ってしまいそうだが、はたしてそうなのだろうか。いまでもワイルドなヤンキーは相変わらずワイルドなのだ。

マイルドヤンキーはヤンキーがマイルド化したのではなく、サーファー人口が増えると岡サーファーが出現するように、ヤンキー人口が拡大した結果、従来ならヤンキーに分類されなかった人々がヤンキーっぽくなっているのではないだろうか。

これは日本経済が停滞していることと関係があると思うんだけど、昭和から平成にかけて中間層というかたちで「普通の人」として存在していた人々がヤンキー化している。

ヤンキー化の具体例

たとえば、ファスト映画などという騒ぎがあったけど、ああいうのも社会のヤンキー化に思えてならない。

映画とドラマのちがいは、5分も続くエンドロールが許されるかどうかであり、映画=時間の贅沢なのだ。そこをファスト化してしまったものが流行るあたりにヤンキー感をおぼえてしまう。

いま話題の「少年革命家」呼ばれる方がいるが、大人げない人々がよってたかってディスっており実にみっともない。

ぼくはそういうつもりはなくて、あくまで「中間層の没落とマイルドヤンキー化」という文脈でその功績を称えたいのだけれども、この方はズバリ

ヤンキー小学生

というブルーオーシャン市場を切り開いているとぼくには見える

麒麟の田村さんが「ホームレス中学生」という市場を開いたのとおなじである。それまでホームレスは大人のやるものだったのだが、それを低年齢化したところに新しさがあった。

それと同じく従来のヤンキーはだいたい高校生から若くても中学生までで、第二次性徴を迎えていることが必須条件とされていた。

しかし、この方の場合は、

声変わりする前からすでにオラついていた

というあたりが斬新だったわけだ。

社会のヤンキー化は止められない

・・と、ここまで半分冗談で書いていたんだけど、マイルドヤンキーの生みの親である原田曜平さんの記事をチェックしたところ同じことが書いてありますね。

原田さんは、「親の世代の正規雇用率が下がったせいで、マイルドヤンキーが生まれた」と言っている。

「どこの国でも先進国になればなるほど一定割合でマイルドヤンキーが出現している」とのことで、上海やソウルでもすこしずつマイルドヤンキーが増えているそうだ。さらに親の生活が苦しくなってくるとガチ・ヤンキーが増えるという予測もあるそうなので、社会のヤンキー化というのは止められないものなのだなあ。いやだなあ

革命家とヤンキーは異なる

ただし、ヤンキーと革命家は全く異なるという点だけは強調したい。

原田さんもいっているように、マイルドヤンキーは基本的にノンポリであり、「地元」「親」「仲間」といった伝統的な価値観を有する人々だ。

一方で、革命家(revolutionary:レヴォルーショナリ)というのは簡単にいうと極左であって、なんらかのビジョンにそって社会を大胆に変革しようとしている連中である。現代を代表する革命家といえば、ウィキリークスのジュリアン・アサンジだろう。伝統派のヤンキーとは相いれないのだ。

これからの時代に革命を起こそうと思えば、最先端のテクノロジーをハックする能力が不可欠であり、軽トラックをハックして全国を回っている場合ではない。

一方、ヤンキーの特徴は、根性論にある。そして、この少年革命家は

これからも俺はやりたい事を全力でやって、自由に楽しく生きていくで

と言っているので、これは革命家というより、ヤンキーの根性論の延長なのである。

かれにはヤンキー小学生のパイオニアとしててオピニオンリーダーになってほしいと思うが、革命家をなのっているかぎり、本人をはじめとして多くの人が「ヤンキー的にミスリード」されてしまうので早めにやめてほしい。

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