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何とかなる人とどうにもならない人

田代さんが出所した

田代まさしさんが3度目のおつとめをぶじ終えられたそうで・・いやいや、ぼくやあなたのような田代ファンにとってみればじつに感慨深い。

思い返せば、2008年の1度目の出所時には大騒ぎになったものだったが、3度目になるとさすがに田代さんも自然体というか、どことなく風格すら漂っている。

『ミニにタコができる』事件が2000年だったので、あれから22年の歳月が流れたことになる。田代さんの21世紀は、大半が「2001年ムショの旅」である。

福島刑務所ではダルマを作る刑務作業をやっていたそうだが、獄中からクールスの佐藤秀光さんのバースデーに宛てた手紙がツイッターにアップされており、そこには、

福島の国立の大学でダルマの研究をしています

とある。

記事によれば、今後は、

「ダルク」に通いながら、講演活動やYouTubeでの発信をおこなう予定

とのことなので、まもなくYouTubeで見られるのだろう。楽しみだ。

頼りなさそうで案外しっかりしている人

薬物依存の人にそんな無責任なことを言って・・

という声もありそうだが、それは大丈夫だろう。大丈夫というのは「ヤクに手を出さない」ということではなくて、なにがあってもなんとかなるだろうということ。

あれから22年なので、ぼくもいささか人間というものを学習したけど、そのうえで、田代さんは

頼りなさそうで案外しっかりしている人

である。YouTube『ブラックマーシー』でも語っているが、中学時代からシンナーをやっており、『ミニにタコ』よりもバカなことをいろいろやってきているけど生き延びてきた。

また、離婚したことばかりが話題になるが、二度目の服役前にはしっかり再婚していたそうだ。

そもそも、ラッツ&スターのなかからあれだけ売れた人はほかにいないわけで、志村けんさんにうまいこと近づいたエピソードなどを聞いていても、つくづくしたたかさを持った人だとわかる。かんたんにつぶれる人ではないので、ぼくらの心配などいらない。

マジメな人はあぶない

一方には、昨日取り上げた、焼身自殺した九大のオーバードクターみたいな人もいる。彼なんか少年時代から人一倍の努力家で、まじめに勉強していたそうだし、経歴も申し分ないけど、ああなってしまった。

何とかなる人とどうにもならない人はどうちがうのだろうということを昨晩から考えたんだけど、・・まあ、この二人だけ見ていても結論は出ない。しかし、今日はこうやって困窮している人の動画も見た。

また、ぼくの親戚には、いまちょっとあぶなっかしく感じる人が2人いるんだけどこのふたりは上の男性に共通するところがあるのだ。

三人ともちょっと真面目すぎるし、これまではだれから見ても申し分のない仕事について社会の大通りを歩いていたのがいま無職になっている。

この男性も病気で倒れるまではまじめに働いていたそうだ。いまは冷蔵庫が空っぽでフードバンクに頼っているけれども、動画の最後に

とにかく人に迷惑かけないこと(5:07)

と力を入れて語っている。九大の人もずいぶんしっかりした人だったらしいが、しっかりしすぎて人を頼れなかった。

計算とは?

一方の田代さんなんか人に迷惑かけまくりである。しかし、たんに行き当たりばったりで人に頼っているというよりも、なんか

計算

が感じられるのだ。この「計算」は、感情とも思考とも違う。

感情的な人でもしっかり計算している人もいる一方で、九大のオーバードクターなんかさぞ深い考えを持っていたに違いないが、計算が足りない。

計算をコトバンクで検索してみると、足し算引き算という意味以外に

 結果や成り行きをある程度予測し、それを予定の一部に入れて考えること。「多少の失敗は計算に入れてある」「計算された演技」「計算外」

とある。

きちんと計算したら、さしあたって人に迷惑をかけたほうがいい場合もあるのだ。計算高いのとはちがう。「人に迷惑かけたほうがゆくゆくはうまくいく」と計算できたら、とりあえず迷惑をかられる柔軟性のことだ。

田代さんだけじゃない。ぼくだって人に迷惑かけまくりだし、そもそも職業が怪しい(笑)。でも、そういう人のほうがプライドがないというか、いざとなったらすぐに泣きつくし、大丈夫なのだ。

人は見た目は、二本足で歩いているようだけど、計算のある人にはもう一本見えない足がついているように思える。いくら足払いを食らってももう1本あるのでコケない。

計算できる人は、苦しいときにも冗談が出るタイプだろう。田代さんも福島刑務所でそうとう精神を削られたらしいけど、手紙には「福島の国立の大学でダルマの研究をしています」と書いている。計算とはもしかするとユーモアのことかもしれない。

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