むかし好きだったマンガをあらためて読み直した。
むかし好きだったマンガをあらためて読み直した。
高橋留美子著『めぞん一刻』。
裁断して、スキャンして、資源ごみに出すつもりで読んだ。
うちの中が狭くなってきたので、数年前から少しずつ本のPDF化を進めている。
「裁断するまえにもう一回だけ」と思って読み直したのである。
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でもやっぱり、、、
最後まで読むと愛着がわいてきて、裁断する気になれない。
じつは去年も裁断しようとして、通して読んで、やはり思いとどまっている。
恒例行事になりそうでマズい。
感想を思いついたので 並べてみる。
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物語は、昭和55年にはじまり、バブル直前の昭和61年におわる。
昭和の東京を舞台にしたラブコメだ。
今よみなおすと、作品の中の東京は「サザエさん」のような別世界である。
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主人公の五代君は、貧乏な学生という設定だ。
しかし、その貧乏は、「仕送りをもらいながら予備校に通い、4年制の私大を卒業し、結婚して子どもを育てられる」ていどの貧乏である。
いまの社会で問題になっている「貧困」とはわけがちがう。
当時の大学生は、程度の差はあれ、みんなああいう感じで、ネタにして笑えるような貧乏だった。
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ものがたりには、最初から最後まで、一人の外国人も登場しない。
新宿や池袋らしい場所も描かれているので、いまなら考えられないことである。
バブル経済に沸く日本に、外国人労働者が集まってくるまえの世の中。
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作品自体は、時代を越えて完成されている。
さいきんの若いマンガ家さんの作品を読んでいると、ふとなつかしいような、よく知っているような感じをおぼえることがある。
そういう場合は、ギャグのテンポが高橋先生とそっくりのことが多い。
『うる星やつら』や『らんま1/2』と基本はおなじ。
ラブコメのひとつの定型をつくりだした人だと思う。
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連載当時は、美人のヒロインにあこがれながら読んでいた。
いまは、「美人で、まじめで、めんどくさいヒトだなあ」とおもいつつ読んでいる。
以上をまとめると。。。
・日本はかわった
・高橋ワールドはかわらない
・ぼくは年とった
この3つを同時に感じた。
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