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こころが不安定なのは悪いことなのか?

こないだある人と話している時に

若い女性は心が不安定だ

という話題になった。その人はいろんな年代の人とビジネス上の付き合いがあるんだけど、若い女性と組んで仕事をしたときに、その不安定さにまいったのだという。

若い女性のアルコール依存が増えている

それで思い出したけど、最近、若い女性のあいだでアルコール依存症が増えているのだそうだ。そういうネット記事を読んだのだが、ぼくも夜の繁華街を歩いていて、道端で酔いつぶれて寝ている女の人を見かけることが多くなった気がする。

女性のアルコール依存の2つの特徴

女性のアルコール依存が増えている背景には、そもそも飲酒する女性自体が増えていることがあり、また女性は男性に比べてアルコールの分解速度が遅いため影響が出やすいこともあるのだそうだ。

そのうえで、女性のアルコール依存症には男性には見られない2つの顕著な特徴があるのだという。

一つは、年齢が若いということ。もう一つは、精神面での合併症が多いということである。アルコール依存で入院する患者の年代は、男性の場合50代がピークなのに対して、女性は30代がピークだそうだ。

アルコール依存に陥るきっかけにも男女差があり、

男性は、社会人になって、いわゆる「飲みニケーション」で飲むようになって、徐々に酒量が増えていくパターンが多いです。
 一方、女性はきっかけがストレスということが多く、そこへの自己治療としてお酒を使うようになるケースが多い。

女性は、

気付けに「ぐいっ」とや、イライラする気持ちを抑えるため、眠るためなどにお酒を使うのです。そのせいか、男性よりも女性の方が、酒量が一気に増えてしまう、という印象があります。

ということだそうで、「摂食障害の重複も多く、20代に限ってみると、女性のアルコール依存症患者の7割が、摂食障害を合併している」という。

ビジホ飲み

最近、若い女性がYouTubeで「ビジホ飲み」をする動画が人気だ。

「ビジホ飲み」とは、酒とつまみを大量に買い込んでビジネスホテルに引きこもって一人のみをすることであり、新しい飲み方としてもてはやされているけど、「病んでるな~」と見ていて思う。これも「自己治療」といえるだろう。

なぜ安定を求めてしまうのだろう

そのうえで

なぜ人は安定を求めてしまうのだろう?
不安定なら、不安定なままでいいのに・・

とつい思う。

ぼくも若い頃は不安定だった。年とともに徐々に安定してきたので、だんだん生きやすくなってきたのは事実だけど、それにともなって肉体は衰えている。

できれば、カラダが若くて、こころが落ち着いているのがベストなのだが、そんなにうまいこといかない。若さと勢いがあるからこそ心が落ち着かないのであり、体の勢いが弱まるにつれて心は落ち着いてくる。

「安らぎ」なんか人生のゴールではない

だれもが遅かれ早かれ、どちらも味わうわけで、選ぶことはできないのだから、若いときには若いときにしか味わえないことをしっかり味わえばいい。「安らぎ」なんか人生のゴールではない。

若くて不安定な人は自己中心的で他人に厳しいけど、その鋭さにハッとさせられることもあるし、一瞬先が見えないスリルがある。

クルマに例えるなら、若い人はフェラーリを乗り回しているようなものであり、年をとってからはベンツやロールスでゆっくりと走っているようなものだ。

フェラーリで一歩まちがえば大事故を起こすような走り方ができるのも素敵な経験なので、「不安定 = 悪いこと」ではない。

不安定なのは確かに苦しい

とはいえ不安定な時の苦しさをわからないわけではなく、30代の後半から40代の初めにかけてぼくもかなり不安定な時期があった。すでに若いともいえない時期だけど、当時は先が見えない不安感があり、社会に居場所がなくて、追い詰められた気分だった。

そのころ、ビルの上から地上を眺めていて、ふと「飛び降りたい」衝動にかられたことがある。「そうすればラクになる」と感じ、あとちょっとのはずみがあればやっていたかもしれないと思うと今でもひやりとする。

それは苦しい時期だったが、一方で、

あとで振り返れば、今の時期が一番充実した時期だと思うようになるだろう

という確信みたいなものもあった。今、後付けでそう思うのではなくて、そのときそう感じていたし、今振り返っても事実そうなのである。

ぼくもつい「飛び降りればラクになる」とおもってしまったクチなので、ラクになりたい人を人を責められる立場ではないけど、別に「ラクになる」ために生きているわけじゃない。

道端で寝るのも、ビジホ飲みでも、なんでもいいので、死なない程度に不安定感を満喫してほしいと余計なことを願っている。

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