英語屋は性格が悪い
ぼくがいよいよ英語教師を辞めるとなったとき、同僚だった文化人類学の専門家にこう言われた。
「英語屋ってのは、ふつう性格が悪いもんなんだけどね~」
はなむけの言葉として受けとっている。
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しかし「ふつう性格が悪い」とは、どういうことだろう?
たぶん、国民の英語コンプレックスをいいことに、語学力を鼻にかけているということではないか。
もちろん、すべての英語屋がそうだというわけではない。すくなくとも学生時代の友人で、そういう奴はいなかった。
文学について夜通し語る奴はうんざりするほどいたけど、英語を鼻にかける奴などいなかった。
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しかし、そういう連中も今はしかたなく英語でメシを食っている。
なので、英語で食っている元文学青年は、「しかたなく...」の部分をちゃんと他人に見せておく必要があるだろう。
でないと「鼻にかけやがって...」と誤解されるので注意しなければならない。
ぼくも一度はブログに書いているのだけど、何度でも繰り返しておいた方がいいかなあと思ったりしている。
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英語がとくに好きではないけど、メシを食うためにしかたなくやっています。
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今、学生時代にもどることができたら英文学を専攻することは100%ない。
ただし、いまとなっては便利といえば便利だ。いや、じっさいのところはかなり便利である。
ぼくはウチにこもり続けてわりに平気なのだが、これはもともとものインドア気質もある。しかし、ネットでかんたんに国外に脳内旅行できてしまう時代なので、それほどの閉塞感を味わっていないという面も大きい。
仕事中にも、各国の翻訳者とチャットやメールでやりとりすることはわりにある。
そういうときは、日本語でペコペコしている自分とはちょっとちがうペルソナでしゃべっている。それがいい気晴らしになっている。
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