全巻をとおして読んで涙をながす

「ものがたり」って大事だな~ということを書く。

以前、このnoteで、マンガは文章力アップにやくだつというハナシを書いたことがある。

『タッチ』の魅力についても書いた

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そうやって、いかにも少年サンデーびいきのようなことを書いてきたけど、じつは秋田書店の「少年チャンピオン」も小学生のころから読んでいた。

その中でも、立原あゆみ『本気!』というマンガがスキである。

全50巻。

数年に1回、全巻をとおして読んで涙をながす。

今年に入ってからも、やってしまった. . .。

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このマンガは「ヤクザを美化している」という批判があるようだ。

そのとおりだと思う。完全にキレイごとである。

でもよいところもあって、それは、時の流れをきちんと描いているという点である。

10年にわたる連載で、登場人物をていねいに加齢させていくのはむずかしい。

でも立原先生は、そこを描き切った。

第1巻で小学2年生だった女の子は、第50巻では高校生になっている。

ひらがなも満足に書けなかった孤児の子が、やがて中学に進学し、高校に合格し、「大学にいきたい」と言いだす姿をみていると、感情移入してしまうんですよね。

ファンになってしまう。

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ぼくが、プロ野球の埼玉西武ライオンズのファンになったのもこれとおなじである。

チームが強いから、いい選手が多いからというわけでもない。

本気でファンになったのは、埼玉に引っ越してきてからだ。

どのプロスポーツチームにも、ローカルTV局に応援番組がある。

たとえば、「かーぷっ娘(かーぷっこ)TV」とか「週刊トラトラタイガース」のような。

テレビ埼玉には「LIONS CHANNEL(ライオンズチャンネル)」というのがある。

この番組がひと味ちがうのは、あまりスター選手を追いかけない点だ。

昨日(8月25日)で、今シーズンに入団した全選手の紹介が終わった。

ほとんどはまだ2軍の選手。

1回の放送で2人ずつ。かれらをていねいに取材する。

今はカメラの前でぎこちない18歳のかれらが、あと2~3年もすると1軍で初ヒットを打ったりするのである。

戦力外になってチームを去る場合もある。

そうした一人一人への思い入れと、シーズンごとの試合の記憶がつみ重なって、じぶんのライオンズ物語がうまれていく。

ファンになってしまうんですね~。

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