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「2回目以降がほんとうだ」と思う

ずいぶん昔に連れていってもらった大阪のラーメン屋さんでたしか

2回目に食べたらおいしい店

みたいなキャッチフレーズが売りになっている店があった。

店の名前も覚えていないし、ネットで検索してもヒットしないので、はなはだあいまいな話になってしまうけど、「2回目に食べたらおいしい」ということは言い換えれば、1回ではそのおいしさがわからないという意味だろう。そして、これはラーメンにかぎらず多くの物事に当てはまることだと思うので、今日は「2回目以降がほんとうだ」ということについて話したい。合わせて

現状、かなり焦ってます

ということを語りたい。

終わらせた人たち

さて、世のなかには、なにかのジャンルを狭く深く追求している人もいれば、広く浅くやっている人もいる。どちらでもいいと思うけど、ぼくは気づけば「広く深く」をやろうとしてしまって、それが不可能だということに最近気付いてかなり焦っているところだ。

あたりまえだけど「広く深く」は時間的に不可能なのだ。

趣味を穴掘りに例えるなら、人が一生に掘り起こせる土の量は決まっている。小さくて深い穴を掘るか、広くて浅い穴を掘るか2つに1つである。ところが、ぼくはうっかり「広く深く」になりかかっており、あちこちに中途半端な深さの穴がぼこぼこあいている状態で行き詰っている。

最近、ある人のジャズブログを読んでいて感心させられたんだけど、その人はジャズ歴40年だそうで

主要なジャズのレコードはあらかた聴いてしまった・・

という風にあっさり書いてあった。なんとうらやましいことだろう。ぼくなどジャズ歴30年だが、聞いたことのないアルバムの方がはるかに多い。

また、別な人のマカロニウエスタン映画のブログでものすごーく詳しいのを発見した。日本未公開の作品ばかりを百本以上取り上げて、脇役に至るまで、どこにも書いていないような情報が満載になっている。このひともうらやましい。

こういった人たちは「ジャズ」とか「マカロニウエスタン」などに絞り込んで徹底的に深堀りしたからこそそこまで行けたのだろう。

出会いのおもしろさは2回目以降だと思う

もちろん、広く浅くやりたいひとはそれはそれで自由なんだけど、ぼくの性格上、出会いのおもしろさは2回目以降にあると思っている。

たとえばお見合いというのはやったことないけど、1回目は単なる顔合わせでしょう?1回目で「じゃあ結婚します」とはならないでしょう。

ラーメン屋も同じで1回目にたべるときは、あくまで初対面の顔合わせでしかなくて、通っているうちにだんだん良さがわかっていくはずだ。「あそこのラーメンが好きだ」というのは何度も足を運んだ人が言うことであって

「オレあそこのラーメン好きだよ」
「よく行くの?」
「いや1回しか言ったことがない」

と言われたらあなたは相手のことを「こいつはアホだからあまり相手にしないようにしよう」とひそかに思うはずだ。これはラーメンにかぎらないし、食べ物にすら限らない。

たとえば、ぼくはディズニーランドには1回しか言ったことがないので好きでも嫌いでもない。1回目の感想としては「ほほお、こういう場所なのか」というだけだった。

嫌いということでもなくて、どちらかといえば快適だったので、もしだれかに誘われれば2回目に行っていただろう。しかし、そういう機会がなかったので、いまだにスキとも嫌いとも判断できるほどの情報がない。たいていのものごとについて1回目というのはそういうものだと思う。

これは映画でも小説でも音楽でもなんにでもおおむねあてはまる。

映画は2回目からがおもしろい

このnoteでもしょっちゅう映画のことを書いてきて、けっこうたくさん観ているほうだとは思うが、ぶっちゃけ1回目に見ているときにそれほど楽しいわけではない。

1回目はあくまで顔合わせだと思っているので、「できるだけ早く全員との一次面接を終わらせようとしている人事担当者」みたいな心境で観ているというのが正直なところである。

だからせっせと見てしまう。ひととおり見終わって、気になった映画だけ2回目を観たい気持があるので、せっせと見てしまう。

でも1回目が永遠に終わらないのではないか・・

しかし、最近気づいたのは

もしかすると、1回目が永遠に終わらないのではないか・・

ということだ。これを読みながら「もしかしなくてもそうに決まっている」と思った人は多いだろうが、ぼくは最近まで気づかなかった。

なぜなら、かつては世に出回っている映画の絶対数が限られていたので、いつか終わりも見えるような気がしていたからだ。ところがネット配信の時代になって、「これは永遠に一次面接が続くかもしれない・・」ということに気が付いたのだった。

絞り込まねば・・

「映画をあらかた見る」などというのは、「音楽をあらかた聞く」と言っているのと同じようなことで、クラシックからヒップホップから雅楽からロックンロールから演歌まであらかた聞くのは無理に決まっているし、映画も同じなので、あらかた見るなどというのはおよそ不可能なことだ。もっと早く気付くべきだった。

とにかくジャンルを絞らないといけない・・などと思いつつ、最近もジャン・ギャバンの「望郷」を見た直後に「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」を見てしまった。どっちも気になってしまって断捨離できないのだ。

そのうえで、西武ライオンズの新外国人の調子が気になったり、ボクシングのタイトルマッチが気になったり、心霊現象やらUFOが気になったり、いろいろ気が散ってしまって、「映画をひととおり」などほどとおい。こういう人は多いのだろうか。

いろいろ溜まったままで人生が徐々に押していくというのはだれにでもあることなんだろうか。

奮起したいと思います!

これではいけないので、今年あたりは、ちょっと奮起してジャンルを絞りこみ、

あらかた見終わった

という状態に入りたいと思っています。なので、スポーツ観戦は徐々に減らす方向で、オカルト系も、まあ、ぼちぼち止めようかなと。まあ、そんなことを最近考えています。

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