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フクロウのいる小さな森 第一章

まだ、日も昇っていない朝。 それなりに大きな、木造の家があった。 リビングとキッチンを兼ねた部屋だけでなく、子供部屋が3つ。そして屋根裏部屋、応接室まである、この小さい村の中で一番大きな家屋だ。 暗闇の中、ゆっくりと差し足で歩く少女がいた。 自分の部屋である屋根裏部屋から抜け出した少女は、三つ編みを揺らしながら、子供部屋の廊下やリビングを慎重に進み、玄関の 素朴な木の作りのドアを明けた。 そして、次の瞬間、まるで何かに駆り立てられるように、雑多な

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