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【CL総括】今シーズン強かったチームの共通点


2つの哲学を持ったチームが強かった

ポール:決勝は似たようなタイプの2チームやったね。CLではこういうチームが今は強いんですかね。ベスト4まで残ったバイエルンも同じようなタイプかなと思うけど。

とっさん:そうやな、俺らが全方位型って言ってきたタイプのチームが今シーズンは強かったね。この3チームみたいに、何もないところから点を取れるチーム、相手が対策しにくいチームが一発勝負では強いってことかもしれん。
あと、CL決勝後のインタビューでアンチェロッティが言ってたんやけど、「基本的にチームアイデンティティは必要だが、私の場合は2つ以上必要だと思ってる。チームアイデンティティが1つだと苦境に陥るから2つか3つぐらいチームアイデンティティが必要だ」みたいなニュアンスのこと言ってて、アンチェロッティらしいなと思った。
自分たちのアイデンティティ一本じゃなくて、相手が嫌がることをするというアイデンティティも有している。そういう、哲学を2つ以上持ってて、そのバランスをとれるチームが勝ち進んだのかなと思ったね。

ポール:なるほどね。相手に対策されにくいチームはトーナメントには強い。だけど、確固たる基盤がないからリーグ戦を勝つのは難しいよねっていう話は前々からしてたな。その点でも今シーズンのマドリーはすごかったね。リーグ戦も優勝してるもんな。

とっさん:しかも1敗でね。

ポール:ドルトムントとバイエルンはきっちりダメだったけど。

とっさん:そうやな、きっちりダメだったな(笑)

アーセナルは今後、2つの哲学を持ったチームになれるか

とっさん:プレミア勢はペップの影響なのか、1つの哲学が強すぎると思う。

ポール:アーセナルが今後どういう進化をしていくかやね。基本的には相手を押し込み続けるチームやと思うけど、今シーズンは引くときは引いてたからね。

とっさん:アーセナルはね、マドリーほど勇敢じゃないと思う。マドリーはヴィニシウスに守備しなくていいよと言える勇敢さがある。それがアーセナルには見えない。みんなで守ろうとって言って守っちゃう。だから鋭いカウンターができない、って印象がある。組織的すぎるし、ワントップがハフェルツやから単独でなんとかできるわけでもない、という問題があると思う。そこをどうするのかなっていうのは気になる。

ポール:今シーズンはそうやったと思う。ただ、今シーズンで両方の哲学を持ったチームになれるベースは整った感じがするけどな。だから一番前にポストマンとか、単独でなんとかできるフォワードを置いたらどうなるのかは楽しみ。
リーグ戦ではガンガン押し込んで、CL上位勢にはガッツリ引くっていう、明確な使い分けをするようになったらどうなるのか。

とっさん:それって要はアンチェロッティってことよね。アンチェロッティがそのインタビューでもう一つ面白いこと言ってたのは、「イタリアで『四角い足』と言われる、ボールを蹴るのが上手くないディフェンダーがもしチームにいるんだったら、これは素早く前線にボールを蹴り込むべきだと思うんだよ」って言ってて。そこまでの柔軟性がアルテタにあるかっていうのはちょっと気になるところやね。
アルテタにはその片鱗は見えるなって俺は思うんやけど、ただ勇気がないんじゃないかなとも思う。みんなで頑張ろう、みたいなチームを作っちゃったから。クラブ文化とかも変えないと難しいんじゃないかなって。例えば今のアーセナルの中にレオンを入れると浮くやん。レオンって守備せんし。でもポールが言った2つの哲学を持つようになったらレオンみたいな選手は絶対活かすべきやと思うんよ。でも、そういう選手を入れちゃうとリーグ戦とのバランスが難しいってなるし。

ポール:そうやな。難しいね。

とっさん:2つの哲学、2つ以上の哲学っていうアンチェロッティの言葉は今後もキーになるよね。この傾向が来シーズンも続くんじゃないかっていうのが俺の予想かな。

1つの哲学で勝つためには

とっさん:ただ、マンチェスター・シティとPSGがマドリー、ドルトムントに勝ってもおかしくなかったから、アンチェロッティが正解っていうわけではないよね。戦力を集められるんだったら、1つの哲学を貫いても勝てる可能性はあるということかなとは思う。

ポール:どういう哲学を貫くのかっていうところよね。シティとパリは、完全に相手を押し込んで崩して点を取って勝ちましょう、っていう貫き方。そのやり方で今シーズンは決勝まで行った2チームには惜しかったけど勝てなかった。
違う方向で貫くチーム、ガチガチに引いて守って相手に持たせる、という哲学を貫くチームが出てきたらどうなるのかな、とは思うね。決勝の2チームとバイエルンの3チームは、ボールを持たされると苦しくなるっていうのは事実だと思うから。アトレティコのガチガチ自陣引きこもり時代再来、みたいな。

とっさん:一時そういうことをやってたチームもあると思うけど、やらなくなったのは、いくら引いて守ってもポコっと先制されることはあって、その状況になった時に対処できないからじゃないかなと。普段からそういう戦術をしていたら。

ポール:あー、じゃあドン引きしかしてなかったらダメってことか。インテルとかアトレティコぐらいのチームが9:1の割合で守備重視で戦ったときにどうなるのか。

とっさん:そうやな、確かにそういうことかもしれない。怪我人が出たときのインテルぐらいの感じ(笑) 攻撃は「テュラム、お前に任せた!」ぐらいの状況だったら面白いかもしれない。
でも、その引いて守るという哲学を長年やってきたのが、シメオネのアトレティコだと思うけど、CLは取れてないよね。

ポール:今が一番その戦術をやる時なのかもしれない。

とっさん:なるほど、今が一番効果的じゃないかと。いまシメオネのチームにジエゴ・コスタみたいなストライカーがいたらどうなるのか、見てみたいね。
マドリーのGK相手に冷静にゴールを決められるストライカーがいてほしい。マドリーダービーがCL決勝だった時代にアトレティコがマドリーを苦しめた要因って、シメオネの引くという哲学に加えて、カシージャスを相手にしてもひるまないストライカーがいた、ということもあると思う。勝つためにはその両輪が必要じゃないかな。

ポール:うん、そうかもね。

とっさん:そこで言っても、インテルは結構可能性あると思うんだけどね。ただ、マドリーが引いたらインテルは喜んでボール持つからなー(笑)。なかなか難しいね。

このnoteはポッドキャストの内容を抜粋し、テキスト化して編集したものです。よければ、ポッドキャストも聞いてください!

◆この記事の内容を話しているポッドキャスト
♯173後半 マドリー対BVBのCL決勝、CL全体について熱く語りました!


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