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母親の彼氏と会って積もる憎悪

にゃりぺよが幼いころから、母親はかなりモテていました。
それは母親にアプローチしていたいとこの男だけではありません。

細くて色白で、高飛車な雰囲気がまるで少女のようだった母親。
このころ、にゃりぺよは母親へのねっとりとした視線にいち早く気づくようになっていました。

にゃりぺよが幼いころから、うちには金銭的な余裕があるとは思えませんでした。
それでも母親は、いいものを食べたほうがいいからと、よくにゃりぺよを高級レストランへ連れて行きました。

そこでウエイターの男性が、母親に電話番号を渡してきたのです。

母親は、とても幼いにゃりぺよを抱えた年に見えませんでした。
レストランでオレンジジュースを飲む姿は、デートにやってきた若い恋人のようでした。

ナンパされてうれしそうな母親を見るたび、幼いにゃりぺよは憎悪でいっぱいになりました。
にゃりぺよが年端もいかないガキで、何をしているかわからないと思ったのかもしれません。

でも子どもって案外そういうのわかるから。
そういうのは、子どもの見ていないところでやったほうがいいかもしれませんね。

にゃりぺよが中学生になると、母親は彼氏を紹介してくれました。
それまでも男性と会っているのは知っていましたが、紹介されたのは初めてのことでした。

いい意味で優しそう、悪い意味で弱そうに見えた母親の彼氏。
にゃりぺよは大好きな父と比べ、母親の彼氏のことを「ないな」と思いました。

母親の彼氏はよく、母親だけでなくにゃりぺよのことも大切だと言いました。
そんな言葉はにゃりぺよの神経を逆なでするだけです。

にゃりぺよは母親に見てほしいのに、母親がいつもデートをするのはこの男。
にゃりぺよは母親の彼氏を心の中で見下し、早く別れればいいと思っていました。

そしてにゃりぺよが母親の彼氏と会う頻度が減って、高校生になったころのこと。
母親は違う男性とよく会っていると打ち明けてきました。

前の彼氏といつの間に別れていたんだ。
驚くにゃりぺよですが、母親は返答を濁しました。

後からわかったことですが、2人の彼氏とは同時進行で交際していました。

母親はたびたびにゃりぺよよりも彼氏とのデートを優先させました。
もちろんシングルマザーなんだから、彼氏がいたっていいでしょう。

でもそれは、にゃりぺよを大事にしてくれてからの話です。
にゃりぺよの話に興味がなさそうで、にゃりぺよが傷ついても味方をしてくれない母親。

にゃりぺよはこっちを見てほしいのに、母親は恋愛に夢中でした。
にゃりぺよは泥の中で岸にたどり着けずもがき苦しんでいるような気分でした。

思い通りにならない相手のことは憎むしかありません。
にゃりぺよは母親が嫌になって、母親の彼氏たちをより一層憎むようになりました。

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