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植物に、もっと

ゴールデンウィークの谷間の月曜日に、
人も土日よりは少ないはず!と考えて
ショッピングモールへ行ってきた。

モールでの用事を終えてぶらぶらしている中で、
100円ショップの近くを通りかかり、少し気になったので立ち寄ってみた。

季節の商品や、化粧品、文房具コーナーをじっくり見ながら、
奥へ奥へと進むと小さな造花コーナーがあった。
そしてそのコーナーの周りを一周している中で、
本物の植物たちを見つけた。

100均は本物の植物は置いていないと思っていたので、
マネキンの中に本物の人が紛れるという某番組のドッキリとまでは
いかないけれど、何かいけないものを見た時のような、
良い意味でぞっとした感覚を感じた。

その植物たちを見ると、ホームセンターの園芸用品コーナーで
よく見かける顔ぶれが勢ぞろいしていた。
「最近の100均は侮れないなぁ」と一瞬100均に感心したけれど、
すぐにそう感じたことをなかったことにしたくなった。
植物たちの扱い方が酷く思えたからだ。

植物たちが植わっていたポットのサイズは、
園芸用品でよく見るそれの4分の1程のサイズしかなく、
もしもこのまま誰かの手に行くこともなく何週間もいたとしたら、
根が絡まりあって詰まってそのまま枯れていってしまうはずだ。
植物だってひとつの命なのに、ぞんざいに扱われていたことに、
ぞっとした。

そして私はその中から、少し元気のなさそうだったひとつのパキラを抱えて、レジへと進んだ。

家に帰ってから小さな白色の鉢植えに移してやり、
自分のデスクの上に置くことに決めた。
これからは日の光を水をたっぷり浴びてのびのびと育ってほしい。

100円ショップだから、
「植物に慈悲を」だなんて言うのは
難しいのかもしれない。
でも、植物を想う気持ちをもってくれる人が
少しでも増えてくれたら、と思う。







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