見出し画像

この後輩と話すといつも笑えて笑えて仕方ないのだがその後輩が珍しく嘆いていた話

脳のスピード感とは?

私には、幸せなことに尊敬できる後輩がいる。仕事の連絡に絡めて日々の雑感などたわいもないことをついついメールに書き添えてしまう。

好きなアニメはガンダムのめぐりあい宇宙で止まっている私に、刺激的なアニメを紹介してくれたりする。宇宙と書いてそらと読ませる感性と、その充実した内容には感銘を受けたのだが、そこは後輩と共有できていてうれしい。

さて、そんな後輩と教育的観点から話が脳のスピード感の話になった。なぜ、教育の現場はこんなにもスピード感がないのか。コロナの影響で休校になり、授業のオンライン化が取り沙汰されたが、実際にそれができているのは、全学校の数%に過ぎないだろう。私の地区の学校では、オンラインで授業をしたのは0%であったと断言できる。

おすすめの漫画を尋ねて、「『ローマ人の物語』(塩野七生)は、ようやく2周目に入りましたが、かみしめると旨いっす。」と漫画じゃない文庫にして43冊に及ぶ大作(たしかに読み応えがある)を推してくる後輩は実に愉快なのだが、教育の現場に携わって珍しく嘆いていた。

まったくもって学校組織に、出世の魅力が皆無ってのが最悪ですね。
インセンティブが「善意」しかないという。責任は与えるけど報酬は出さない。
権力が与えられないかわりに、権力の方から寄りかかってくる。
ベーシックインカムですよねぇ……
取り入れても勤労意欲は下がらない、とか、
貨幣発行でインフレにならずに益が出る、とか、
生活保護より均等でいい、とか、
いいことづくめの本読みましたけど、
今回のコロナ(10万円配付)で社会実験できそうですね笑

いつも通り歯切れ良く、裏表もなく現実的。経験からにじみ出ている嘆きである。

スピード感あふれる改革とは、まず脳がスピード感をもたなければならない。

脳のスピード感って今後ますますものすごく大事なってくるんだろう。
そのスピード感が正しいものであるかどうかは、もはや別の話になってきてる部分もあるが。何しろ新しいもの新しいものに飛びついて流行が生まれるから、廃れるのが早いこと早いこと……。
学校にもそのスピード感が求められてはいるのだけど、いかんせん決定権を持つのは校長とか教育長とかお年を召した方々であり脳の回転が早いとは思えない。(もちろん、どこかの知事のように30代から40代前半の校長や教育長はいない。)脳が遅いというか回そうとしていない。その一因が保守という考え方にあるのだろうけど。
いや、その人らが今まで大事にしてきたものを否定するつもりは決してない。それは、確かに正しいものであったけど、それが全てではないはず。正しいものを大切にしながら時代の寵児である子どもたちに、新しいものと融合させたものを提案できるようにならないと、あっという間に諸外国や私立の先端を走る学校に公立校は置き去りにされるのだろう。

既得権益なんだろうかなあ。自分の立場や知識が端の方に追いやられるのがやっぱりさみしいのかな。何にしがみついてんだか。チャレンジ精神を忘
れてしまうのかね。歳をとると。。。

でも、超大手自動車メーカーの考え方は、逆に本当に古いところがあるらしい。新しいものを提案しても、それがどんなに良案であっても形として実現するのに一年はかかると聞いたことがある。その結果が効率的で利益率もアップして安全性も高めるものであっても。
スピード感という観点から言えば、世界でも活躍する自動車メーカーがスピード感がないという……。でも、日本の経済を支えているのは間違いないし。

スピード感だけあっても組織がでかくなりすぎるとまかり通らない?
確かに今の学校にタブレットを人数分用意してもそれをどれだけ活用しようとするか。しない、いや、できないだろうね。
なぜなら、教員は利益を求めないもん。後輩の言うとおり、善意だけ。自宅学習が善意だけのためのものなら、膨大な宿題と変わらない。

休校中に自殺者が減っていたり、学校が再開されて高校生が拳銃で自殺したりしてるところをどれだけ真に受けて考え、自宅でも学校でもどちらでも選択できるようにするのかとか真剣に考えて、担任の負担がないようにオンラインを整備すればあっという間に解決することはたくさんあると思うのだが。雑務と言われている他にもいらんものたくさんあるのだろう。現に蜜を避けるために中止になっている出張や会議の多いこと。でも、それがオンライン会議に代わることはない。そして、ないまま過ぎていき、なくても仕事はまわっている。

なんだ、いらなかったんじゃん。

大手自動車メーカーのように利益を生み出しながら、時代の先を見通して足下を固めるようにできればよいけど、学校は先を見通せずその場しのぎばかりだし、地域のお願い事もその場をしのぐためにだけに受け続けて、膨大にふくれあがった、やってもやらんでもどうでもよいことをこなすのに精一杯になって、結局先のことも子どものことも見ることができないという負のスパイラルを抜け出せないから、学校はブラック企業なんて言われて人材が集まらない。
人材が集まらないから、良くなるはずがない。先も見通せないし、なくすべきものをなくせないから時間も生み出せない。

大手自動車メーカーはスピード感ばかりじゃない。ちゃんと足下を見ているし、その足下から続いている道の先を見据えて動いている。石橋を叩いてちゃんと渡っているのだ。
では、利益を生み出すことなく出世の意味もない学校の未来は?

脳のスピード感とは、変わる速さだけを求められているのではない。それについてよく考えたならば、実行する勇気をもってほしい。

よろしければサポートをお願いいたします。いただいたサポートは、今後の治療費に使わせていただきます(^_^;)