見出し画像

ホロスコープの輪郭を掴む②

アセンダントのルーラー(統治星)はホロスコープを代表する非常に重要な星であるということを念頭に置き、じっくりと解読を深めてくださいね。アセンダントのルーラーの星座とハウス、アスペクトの読み方がわかると、すべてのハウスの展開が読めるようになります。ゆえに、この基本の部分をしっかりと落とし込んでください。



ユリシスの場合、アセンダント天秤座でそのルーラーである金星は水瓶座4室にあります。アセンダントは自分自身であり、基本スタンスですから、私はあくまで4室(プライベートや心の安定、安心できる居場所等)を重視する人間ということになります。水瓶座なので、博愛的で視点が全体に向かいます。水瓶座金星と木星が合ですので、居場所や基盤(心の拠り所)、晩年には恵まれると言えます。



同じように、2室のルーラーを見てみましょう。私の2室のカスプは蠍座です。そのルーラーは冥王星で、天秤座12室にあります。2室は所有を表します。自分の持ち物としての才能(遺伝も含む)、お金を稼ぐ能力、自分で自由に使える財を示します。ここに月、水星、海王星などがあり、混み合っています。※月のあるハウスは特殊な場所だと認識してくださいね。



2室のルーラーが12室に繋がっていますので、私の能力は12室(見えない世界、心理学や意識の学問、何らかのアンダーグラウンドな分野等)で開花するということになります。冥王星が太陽を含む、ほとんどの天体とアスペクトを取っているため、葛藤や試練、紆余曲折があり、コントラストの激しい体験を経て、2室の能力が開花するということがわかります。



同じように、3室を見てみると、カスプが射手座、そのルーラーである木星が4室にあります。射手座カスプのハウスは基本的に幸運で発展的、教育の環境や兄弟姉妹には恵まれます。3室には射手座太陽がありますので、私は自分の興味のある学問を追求して、それを表現することがソウルそのもの、魂の喜びそのものであると読めます。



しかし、太陽と土星がタイトなオポジションかつインターセプトしていますので、相当な大器晩成型であり、日の目を見るまでには相応の努力と忍耐が求められます。4室に繋がっているため、太陽の喜び自体が内的喜び(自己完結型の喜び)に直結しており、社会の中で認められたいという欲求にはあまり繋がっていきません。



さらに、4室カスプが水瓶座、そのルーラーである天王星が天秤座12室にありますので、存在の基盤自体が見えない世界に向かうことがわかります。12室に向かうということは未知なる可能性がそこに示唆されているとも読むことができます。このようにして、すべてのハウスを見ていきます。


ユリシスは多くの天体がホロスコープの下半分に集中しています。4室周辺にある星は底に沈んでいるため、星が開花するまで(社会の中で活かされるまで、認められるまで)に時間がかかります。しかし、このような配置の人が活躍できないということではありません。一生主婦wというような解釈は違います。



そこでMCの登場です。MCはホロスコープの一番高い位置にあり、とても目立ちます。10室周辺に星が多いと、早い段階で星が開花しやすい、認められやすいでしょう。MCはいわば、ホロスコープの看板です。遠くからでもよく見える、他者から見た時にどうしても際立つ部分です。



MCは自己実現の形であり、社会的成功の形です。また、MCは目指すべき方向性であるため、そこに一番近い天体(カルミネート天体)は抗えない力で運命を動かしていきます。アセンダントの支配星が自発的に使われていく星であるとすれば、カルミネート天体は半強制的に働いていく星であると言えるかもしれません。



アセンダントもMCも非常に重要な感受点であり、ホロスコープ全体をひっぱっていくような力を持ちます。



ユリシスは獅子座に天体がなく、5室も空っぽですが、決して地味なタイプではありません。目立ちたいという気持ちがなくても、なぜだか目立ってしまいます。そして、MCが獅子なので組織や箱に入れない、自分が主となってやっていくことが運命づけられているかのようです。つまり、それだけMCの影響力は強いーーということなのです。



知らず知らずのうちに、MCやカルミネート天体がその方の人生をひっぱっていく。あなたの目指すべき方向はこちらですよ、と言わんばかりに運命がそのように動いていきます。



カルミネート天体が水星の方は知性や知識を磨き、プロの領域までそれを高めることで、社会の中で役割を得て活躍されるでしょう。海王星カルミネートの方は芸術性や創造性、無意識の領域における才能、或いは、この世的価値基準を離れた価値観や感受性を活かして、活躍されるでしょう。



私の友人に、牡羊座キロンがカルミネートしており、太陽を含むほとんどの10天体が下半分にある女性がいます。彼女は人並み以上の容姿や知性を持ち、誰からも信頼される人柄です。華々しいキャリアもあります。しかし、なぜか日の目を見ません。いつも自分から発展しない方向へと歩いていっているように見えるのです。(自分の価値を認めていない)



この場合、自分を肯定すること、無条件に自分を信頼すること、揺るぎない自信を持つことを、天頂のキロンが強いてきていると思われます。何よりもまずキロンを癒し、キロンの示す才能を社会の中で開花させていくことです。自分を許し自分を認めた時、下半分で待っている星たちが、一斉に花開くことでしょう。


大雑把な説明になりましたが、ライツ(太陽と月)、アセンダント(統治星)、MC(カルミネート天体)の重要性とそこから見えてくるホロスコープの輪郭が掴めたでしょうか。さらに、ステリウムやオーバーロードのマジョリティのある星座やハウスも加味してくださいね。色々と複雑なホロスコープ解読ではありますが、何かのヒントになれば幸いです。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?