見出し画像

土星を支配星に持つ山羊座が天頂に位置する意味

山羊座というサインは誤解されています。支配者層にとって不都合な「山羊座の本当の力」が隠されてきた側面を感じます。隠さないといけないものとは、最も大切なものーーです。


昭和の時代、「ネクラ」「オタク」という言葉が、否定的に使われていた時期がありました。私自身も、「暗いことはよくないこと、明るいことがよいこと」だと思わされていました。自分を貫くより、みんなと一緒に、今を楽しく過ごせば、それでいいじゃないか!という刷り込みにまんまとヤラレていたと思うのです。


山羊座というサインの本質は「正しさ」でも「真面目」でもありません。「自分の運命プログラムに食らいついていく強靭さ・孤高の強さ」のことです。それは人から理解されるような類のものではなく、また、善悪を超えていくような側面を持ちます。


しかしながら、土星を支配星に持つ山羊座は、土星の管轄でもある「善悪・正しさ・バランス」という象意も抱えていますから、非常に複雑でわかりにくいサインとなっています。


①善悪を超え、ひたすら自分の運命に立ち向かう強靭な精神と孤高の行動力
②善と悪のエネルギーを正しく理解し、中庸(一段高い善方向)に向かって統合させる厳粛な力



この相反する二つの力を分けて考えることで、山羊座サインの本質が見えてきます。また、土星の働きがより腑に落ちます。


①と②の山羊座の本質を目覚めさせないために、また、それを好ましくないものとしてイメージつけるための言葉が「ネクラ」「オタク」であったように感じられてなりません。太陽山羊座の方や土星が効いている方は、むしろとても明るい方が多いですし、悪を抱き参らせるようなユーモアの持ち主です。


フワフワとみんなで楽しくしているだけでは、この過酷な人生プログラムを乗り越えることなんてできるはずがなく、自分の運命と課題を直視して、現実で結果を出すことなんて不可能です。自分の中にある「山羊座力」を目覚めさせることが、この世で与えられたカルマの解消を齎す力そのものです。


現実を生き抜く力、この世を向上させる現実力そのもの。つまり、それを知っているサインが山羊座であり、だからこそ、この世の王として、ホロスコープの頂点に君臨しているわけです。


①の力がどのようなものであるのかが、具体的にわかりにくいために、山羊座というサインが「オタク的で暗い人、マジメで堅実、合理的で実利を重んじる計算高い人」という一面的でネガティブなイメージが先行しているのかもしれません。


①の力を具現化したキャラクターは、松本清張作品によく登場します。特に、お勧めしたいのは「黒皮の手帳」の主人公・原口元子です!元子を知れば、山羊座の①の力の本質がわかること、間違いなしです☆(アマゾンプライムで無料配信していますよ)


米倉涼子バージョンも武井咲バージョンも、どちらも大好きです。武井咲ちゃんバージョンを、占星術的視点から見直ししてみたのですが、めちゃくちゃおもしろいです。元子は極貧家庭に生まれ、親の借金を返すために、働き続けます。これはまさに、どうにもならない元子の運命ですよね。


そして、完済してもそれで終わりません。勤めていた銀行の裏口口座のお金を横領します。これは法的には、勿論悪いことですが、①の力の前では悪という視点を超えている側面があります。自分に与えられた運命を超えて、お金や世の中の悪を逆手にとり、運命に猛然と立ち向かう姿勢そのものです。


悪を憎む故、悪を逆手に取るというやり方。これは山羊座の人が持ちうる強靭さであり、合理性を極めた智慧とさえ言えます。私は山羊座のこの力が美しいとさえ感じています。山羊を極めると(自分の運命にとことん立ち向うと)それだけでトランスサタニアンの世界に押し出されます。スピリチュアルを語るより、もっともっと本質に至ることができるのです。


まぁ、現実では、横領までやるケースはまずないでしょうが、このあたりが山羊座の本質のまさにエッセンスとして表現されています。そして、この①を超えた時に、初めて②が発動します。だからこそ、現実(地球人生)は過酷なのです。山羊座というサインを極めた人は、非常なバランス感覚と情愛に溢れ、本当の知恵と愛を持つようになるのです。


余談ですが、私は太陽射手座、主人は太陽山羊座です。射手座色の濃い人物は、善に焦点を当てるあまり、悪を抱き参らせる力が弱いです。理想だけを追い求める危うさがあります。一面的な菜食主義や動物愛護なども、同じ危うさを感じます。私たちは生きているだけで、他の命を奪っています。人間であることの罪深さや業をなかったことにして、霊的完成(12室)に至ることなんてできるはずがないーーそれを知っているのが山羊の偉大さです。



かつて、主人と大喧嘩した時、最も深く突き刺さった言葉は「このお嬢さん育ちの世間知らずが。純粋過ぎる。本当に世の中をよくしたいなら、汚れた世の中に入っていけ。汚いお金を美しく稼ぐということを、身を持ってやってから理想を言え!」でした。


なかなか強烈ですwでも、真実です。だからこそ深い衝撃を受けました。ぐうの音もでない程、その通りなのです。山羊座の本当の崇高さとは、このあたりにあります。運命というもの、地上の人生に怯まずに立ち向かう強さ。悪の中に飛び込んでいくからこそ、本当の力を得ることができる。この世の頂点に立つことができるのです。


土星は、私たちの内側にあるシャドウ(恐れや逃避)に従い、制限や試練を与えますが、その土台は「あなたの人生に立ち向かえ、自分の弱さから逃げるな、世の中の悪から逃げるな、与えられたすべてを体験せよ」という厳しくも当たり前のメッセージにあると思うのです。



そして「中庸(融合点)」を知るのです。融合点とはまさに愛です。だから、土星は大きな愛の星です。確かに、土星は厳しいです。容赦がありません。安寧を求める人間視点からすれば、紛れもないマレフィックと言えます。でも、人生の崇高さ、プログラムの偉大さを知る時、土星ほど愛を教えてくれる星もありません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?