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月は囚われ②~多様な月の現れ方~

前回の記事、月は囚われ|ユリシス|noteについて、ご質問をいただきましたので、追記します。

月が蠍座の人は蠍座の性質が欠損しており、嫉妬も激情もわからない人なのですーーというのは、私の場合は当てはまらない。若い時はむしろ、恋愛においては、殺傷沙汰になるかもしれないくらいの激情家であった。(相手をメッタ刺しにしたりはしておりませんのでご安心ください)その他の月星座でも同じようなケースがある。だからこそ、月は欠損している性質を示すという解説では誤解を生むのだと思うーー

ご質問は上記の部分に対するものでした。まずは、訂正(説明)させてください。勿論、マドモアゼル愛先生の各月星座の解説に間違いはないのです。月単独の性質としては、愛先生が解説されている通りだと思います。しかし、その通りの出方をするとは限らないのです。(これが月理論への誤解を生む最大の原因かと・・・)月の現れ方は個々人で違いがあり、非常に多様性があります。


それはなぜか?月以外の天体の影響が加味されて、月の出方が複雑化するからです。太陽の獲得度合も、火星のストレートさも、金星の成熟度も、アスペクトの強弱も・・・まさに人それぞれです。その上、個人のホロスコープは世界でひとつしかないオンリーワンのものだからです。私たちは「部分」ではできていません。部分がひとつの全体を構成している「複雑な多面体」なのです。



実際に、月がどのような現れ方をするのか?それはホロスコープ全体を見ないと判断ができません。例えば、ユリシスは月蠍座であるにも関わらず、秘めた激情を持っています。それは、私の火星が7ハウスの起点(ディセンダント)上にあり、対極のアセンダント上には天王星があるからです。その他、5ハウスのカスプが魚座でもあります。金星と冥王星がトライン、金星と海王星がセクスタイルでもあります。太陽と火星がトライン、太陽と天王星がセクスタイルです。



私たちは火星のあるハウスの事柄に多大な情熱を燃やします。(7ハウスはパートナーシップ)その上、金星が冥王星や海王星とアスペクトしていたり、恋愛や創造性の部屋である5ハウスのカスプが魚座であれば、恋愛に陶酔しやすくなります。太陽と火星が調和的角度であれば、意識的に生きることが得意だったりもします。こういった性質が月蠍座の特性を相殺しているのです。



太陽星座が火の最終星座・射手座であることも影響があるかもしれませんし、ホロスコープとはあくまで複合的なものなのです。また、蠍座の月が2ハウスにあるため、パートナーシップに対して現れる月の影響が生存本能(物質的生存権)にも直結し、それゆえに、生きるか死ぬかくらいの激情が湧き上るのかもしれません。



月だけで生きている人はいません。月が99パーセント優位な状態で生きることは可能かもしれませんが、月100パーセントだと気が狂います。バイタルゼロということになるからです。同じく、太陽だけで生きている人もいないですし、金星だけで生きている人もいないでしょう。



月理論で言われる、各星座の特色とは全くそのまま現れるケースの方が少ないのです。なぜなら、私たちは10の天体(意識)を持っているからです。月よりも太陽と火星が優位な状態であれば、その部分は月として出ないでしょうし、水星や天王星が健全に優位な状態であれば、合理的に月と付き合っており、その部分では呑まれることがないでしょう。


だからこそ、月は難解なのです。愛先生の解説に難があるわけではありません。月の現れ方が個々人でバラバラだからこそ、その判別が難しくなるということなのです。月が何座だから〇〇であるーーこれは確かに言えることです。大前提として、太陽星座の本質的部分が幼稚園児の能力で止まってしまうーーそう考えると理解が簡単だと思います。例:月牡牛座は太陽牡牛座的能力が未就学児童のレベルで止まってしまう。



月の現れ方の多様性について、例を挙げます。夫は月乙女座ですが、とても綺麗好きで、整理整頓が得意、良いものを大切に長く愛用します。ほとんど隙がない人なのです。これは太陽と火星がトライン、太陽とMCがセクスタイルなどの影響もあり、意識のベクトルがMCやドラゴンヘッドに向かっていき、常に目的意識を持って生きているからです。幼い時に、経済的苦労をしたことも一因でしょう。



月乙女座でも整理整頓が自然体でできる、太陽乙女座でも整理整頓が得意ではないーーという例は、意外と多いです。(恐らく、月乙女座の大前提は整理整頓や分析能力の欠如ではなく、細胞としての自分が全体を支えているという責任感覚・真の奉仕的能力の未成熟だと思われます。)



その他、月牡羊座でも自我の安定感があり、ほとんど感情的になることがないケース、月天秤座でもごく自然に自分と他者の両方を受容して、人間関係の達人のような方もおられます。私が直接に知っている方限定で、月が出にくい方(月理論の定義にあまり当てはまらない稀有な方)の原因を探っていくと、ひとつの共通点がありました。それはもう、太陽の輝きがすごい!!!ってことです。勿論、ホロスコープ上に現れる理由としては色々あります。



つまり、常に意識的な自分(太陽)が無意識の影響(月)に勝っているーーということです。やはり、月の現れ方の多様性は、太陽の獲得度合!!!それが最大の理由だと言えるでしょう。太陽で生きていると、ホロスコープの可能性や能力がすべて使えるようになりますので、月が消えていく(相殺される)わけですね。


月が二重構造であることはわかりましたが、さらに多重構造であるかもしれません。まだまだ、オンザロードの月理論。さらに考察を深めていきたいと思います。


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