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【恋愛分析】守りたくなる子がタイプ、って結局なに?【コラム】

男性に「どんな女性がタイプですか?」と質問すると
「守りたくなるような子がタイプかな」と返ってくるのが定番だな、と個人的に感じている。

なんでも自分でやっちゃうマンの私からすると
「守る…?なにから…?ヒーロー気取りか…?」なんて思ってしまう。

昔からものすごく気になっていて、この常套句を目にするたびにぐるぐる考えてしまうレベルには気になっていた。

別に魔物が出る世界でもなければ人間が特殊能力を持つ訳でもないこの世の中で
この男性たちは“何”から“どのようにして”女性を守ろうとしているのか。

また、「守りたくなる子」がタイプという男性たちは何を考えてそう言っているのか。

夜職時代にお客様から聞いた話を交えて、私なりの考えを綴ってみる。



守りたくなる女の子の定義とは

そもそも「守りたくなる子」ってなんだよ、って話なのだが。
華奢な女が好きって言えばいいだろうがよ、と思っていたが、どうやらそれだけではなさそうだ。


理想の女性像

夜職をしていた頃、該当のタイプの女性が好みだと言っていた男性たちに
「具体的にどんな子?」と聞いていた。
過去の私めっちゃいい仕事しとる。

聞く限り、大体共通していたのがこの辺。

  • おっとりしていて穏やか

  • ふんわりした雰囲気

  • 優しく触れないと壊れてしまいそうな儚い雰囲気

  • でも二人きりの時は少しわがまま(ぎゅーして等甘えんぼ系)

  • 色白

  • 華奢(でもガリガリなわけではなく出るところは出ていて欲しい)

  • 自分ではっきり言えない(代弁してあげたくなる)

  • 放っておけない(天然ちゃん)

  • 頼ってくれる

まあ夢見るだけは自由だからな、それが叶うかどうかは別として。

また中には
たぬき顔、犬系女子、かまってちゃん、メンヘラな子、なんて回答も見受けられた。

いやたぬき顔て。そこ?
平成たぬき合戦ぽんぽこ見て自然守っとけよ。


苦手な女性像

逆に、同様の男性たちに苦手(恋愛対象外)な女性のタイプも聞いていた。
過去の私いい仕事しすぎとる。

記憶にある限りこんな感じだった。

  • ガツガツしすぎている

  • なにかと文句を言ってくる

  • 家事ができない

  • お金がかかる

  • はっきりとものを言ってくる

  • 一人で生きていけそう

などなど。

家事できない子は嫌、と言っていた男性に
「私料理苦手だから〇〇くんが作ったご飯食べたいな〜って言われたら、それって頼られてる、甘えられてるってことにならないの?」

と聞いたところ

「いやそれはちょっと…飯は女性に作ってほしいかな…それくらいはできないと…」
だそうだ。

なんでや!おかしいやろ!



そもそも何から守るのか

どんな女性が守ってあげたいと判断されるのはかろうじてわかったが
では実際どんなものから守ることを想定して「守りたい」と言っているのか。

また、実際に女性が守ってもらうとなった際に
どんなものから守ってもらうイメージがあるのかもリストアップしてみる。

そして、男女間での認識の差を見ていただきたい。


男性目線の守ってあげたい事例

さて、まずは男性目線の守ってあげたい事例として
元お客様たちからお伺いした内容は以下である。(各口頭原文ママ)

「えっ、そりゃまあ…悪いやつとかいるじゃん?」(当時40代男性)

「まあ…何があるかわかんないからさ、不安な時に側にいて安心させてあげられたらなあって…」(当時40代男性)

「痴漢とかあるって言うじゃん?男が一緒にいるだけで抑止力になるだろうし」(当時30代男性)

「…でかい犬とか?俺の実家シベリアンハスキー飼ってたし、嗜め方わかるよ(笑)」(当時20代男性)

で か い 犬 。

とまあこんな感じだ。

そう、とくに考えていないのである。

いまのこの国で起こりうる、なるべく遭遇したくない事案としては
痴漢・強姦等の性犯罪、ストーカー、セクハラ、痴情のもつれからの暴行・死傷事件辺りではないだろうか。

もちろん男性にも起こりうる事例だが、この記事は「男性が女性を守りたい」という視点で執筆しているため割愛。

また、交際相手や配偶者がいた場合にはDVやモラハラ等も起こりうるが、ここでは独り身の女性のみにフォーカスして考える。

上記を踏まえて考えた場合、痴漢に対して「男が一緒にいるだけで抑止力になる」は確かに該当する。

しかし、気が強かろうがぽっちゃりだろうがねこ顔だろうが
痴漢は多くの女性が被害に遭っているので、「守ってあげたくなる子」の定義に当てはまる女性を選ぶ理由としては少々薄くはなかろうか。

さては後付けか〜〜〜???


女性目線の守ってほしい事例

では今度は、待機中の女の子たちに聞いてみた
「男性に守ってほしいときはどんな時か」の返答が以下である。

「別に守ってほしいと思わない」(当時20代女性)

「妊娠させたらつべこべ言わず腹括って責任取るとかじゃない?」(当時20代女性)

「嫁姑バトルが勃発したときにこっちの味方になってくれる」(当時30代女性)

「俺が養うからこんなクソみたいな仕事しなくていいよって言ってほしい」(当時20代女性)


ちょっと最後は業界ならではというか、一般的な価値観とはかけ離れているかもしれないが、ざっとこんなもんだ。

なんかすごく現実的なのではないだろうか、女性陣。

やっぱり夜職界隈ってちょっと特殊かな…
参考になるのか少々不安になってきたが、私個人的には概ね共感できる回答は揃ったと思う。

そもそも私も、別に守って欲しいとは思わない側の人間。
なぜならなんでも自分でやっちゃうマンだから。

強いて言うならば、デキ婚した身からして「妊娠させたらつべこべ言わず責任取る」「嫁姑問題で味方してくれる」はかなり重要な事例だと感じた。

なにやら「妊娠した責任」を「認知して入籍や事実婚で共に子を養う、最低でも養育費の支払い義務」ではなく
「中絶費の負担」「中絶後に慰める」程度の認識しかない男性が存在すると聞いてぶったまげたが、それに関しては今回は触れないでおく。

そして「クソみたいな仕事しなくていいよ」はそっと片隅に置いておく。


男女の考えの違いを比較してみる

これは完全に私個人の主観になってしまうが

男性が“守りたい”と言うのは
「女性の前で格好が付くシチュエーションに憧れがあり、ヒーロー願望がある」

その願望を叶えてくれそうな子、自分がヒーローになったときに映えそうな子が「守ってあげたくなる子」になるのではないかと推測する。

おっとりしていて人にはっきりと言えない天然な女の子は
困っているシチュエーションを多く生み出してくれそうだし、

色白で華奢でふんわりした儚げな雰囲気の女性であれば
助けてあげた時にヒーローとヒロイン感がグッと増す。

存在するだけで自分を引き立ててくれる、自尊心を満たしてくれる相手を求めるのだろう。


それに対し女性の考えとしては
「一緒に過ごしていく上で欠かせない“信頼関係”をしっかりと築ける人」が
守ってくれる人になるのだと考える。

というのも、別にそもそも女性の大半が男性に物理的に守ってもらうことなど期待していない。
特に何事もなければ守ってもらう必要もないから。

身の危険を感じるような機会なんて、一生でそう何度もあったらたまったものではないし、夜は出歩かないようにしたり、興味がない男性に対して気を持たせないように接したりと、ある程度の自衛をしている女性も多い。

余程のことがない限り、己のみでなんとかなるのだ。

では、どういった時に人に頼りたくなるかというと、先が見えない、見通しのたたないような“困難”を目の前にした時だと、私は思う。

女性が“困難”だと認識する事柄としては、自分一人だけではにっちもさっちも行かなくなることなのではないだろうか。

妊娠出産、育児も然り。
嫁姑問題など尚のことだろう。

自分だけだと辛く苦しいときに、当たり前のように協力してくれる、味方をしてくれる人。
そんな人に信頼を感じるし、頼りたいと思う。

きっとこれは女性だけではなく男性も同じだろう。
仕事や趣味仲間、友人でも同様のことが言えると思うが、恋人や配偶者となるとそれはより重要なものになる。

誰かを守るなど、人間性をある程度極めてからで十分だ。


本当に守りたいと思っているのか?

少々厳しいことを言うと、本当に女性を守りたいと思っているのだろうか、という疑問は拭えない。

というのも、前述したように私個人の考えとして「自分をヒーローとして引き立ててくれる」から守りたくなる女性が好みなのでは、と思っている。


そもそも守らなければならないシチュエーションに陥ることが極端に少ないこのご時世で出る「守ってあげたい」という感情は、平和ボケしている中でこそ生まれる感情だと感じている。

戦争なんか起こってしまえば男性は戦場に駆り出される。
そうすると女性を守っている暇などない。
自分や戦友を守ることに必死なのだ。
そんな世の中で生きている男性たちからすると、「自分の身を自分で護れる女性」の方がよっぽど魅力的だろう。

「守ってあげたい」なんて言えるのは、現状は守らなければいけない環境下にいないからではないだろうか。


実際にいまその「守ってあげたくなる子」が恋人となり、配偶者となったとする。
最初のうちは有言実行で守ろうとするだろう。

月日が経ち、お互いに良いところも悪いところも見えてきたときに、妻となった女性が前述したような“困難”にぶつかったとする。

その時に当たり前のように協力できるだろうか。

自分も仕事で疲れて帰宅したら、掃除や洗濯、食器洗いはできておらず、子供の寝かしつけを終えて、身だしなみに気も使えなくなるくらいに疲れ果てた妻がソファーで横たわっている。

その時に「今日一日なにしてたの?」なんて言葉を投げかけたりしないだろうか。

「弁当も洗わないといけないし、とりあえず食器洗いしちゃうね!」と言ってあげられるだろうか。

私は、思いやりを持って接することが「守る」に直結すると考える。

思いやりも持てない人間に、誰かを守るなんてことは不可能だろう。

女性は「この人は私を守ってくれない」と判断したら、相手に一切頼らずに生きる術を身につけようとする人も少なくないはずだ。

そうなると、自分が女性を守る理想的なシチュエーションを待っている間に、相手の女性はどんどん自立して自力で解決できるようになり、守ってもらう必要などなくなるだろう。

本当の意味で守ることも、理想のシチュエーションで守ることもできず、女性は去っていってしまうだろう。


「守ってあげたくなる子がタイプ」というのなら、相手が求める形でしっかり守ってあげるべし。

それができないと相手が判断した途端、「守るっていうのは口先だけだったのね」と見限られてしまうから。


女性に対し「守ってあげたい」と豪語する男性方には是非とも、理想のルックスの女性に限らず、全女性を守れるようなヒーローになっていただきたいと切に願う。

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