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カメラといっしょなら、どこまでも

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写真関連について私が書いたnoteをまとめています。
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#エッセイ

カメラと服って、似てるかも

今日、こんなツイートをした。 昨日のnoteの写真もフィルムで撮った写真だったのだけど、フィルムカメラを持っているときに撮りたくなる瞬間や景色というのは、デジタルカメラを構えているときとどこか違うのだ。 この感覚、なにかと似ている…と思っていたら、「浴衣を着たとき」のそれだと思い当たった。 ふだんは和小物にとくに興味を示していなくても、いざ浴衣を着る予定ができれば、かわいい髪飾りや巾着、下駄なんかに自然と目が向くようになる。今まで意識していなかった着物のお店の存在に、突

これから、写真でやりたいこと

昨日の写真道場の名残がまだ抜けておらず、余韻に浸ったままぽわぽわと一日を過ごした。近所のタピオカミルクティーを飲みながらひたすらにnever young beachを聴いていた。 こんな週末に限って同居人も不在で(友人の結婚式で地元に帰っていた)、ひとりで家にいるといろんなことが頭をかけめぐって、かけめぐりすぎて、なんどもnoteを書こうとしたけどうまくまとめきれず夜になってしまった。 「道重さゆみを撮る」という具体的な目標を持っているさどまちとは対照的に、私にはハッキリ

で、結局なんでFUJIが好きなの?

悩みに悩んで、浮気の末に心を決めてFUJIのカメラを迎え入れたのが数か月前のこと(購入時の話は、こちらからどうぞ)。X-T3というミラーレス機を購入した。 買い物では失敗ばかりの私だけど、FUJIを買ったことはこの1年間で最高の決断だったと豪語している。 ところが第三者からは、SONYからFUJIに「ランクダウン」したという捉えられ方をすることも多く、そのたびに「違うんだ!!」という気持ちになる。 こないだの「#複業カメラマンナイト」のイベントでも、質問を受けたときにつ

カメラと会話すること、ありません?

撮影のとき、いつもカメラに話しかけてしまう。「どうしたんだお前」と訝しがらないでほしい。大丈夫、「話しかける」といったって、もちろん声には出してない。 頭の中で、カメラと会話するのだ。人間に向かって話しかけるときよりは、道端の猫にむかって「おいで~」と言うときの感覚に近い。 いい写真が撮れたときは「優秀だねぇ」と褒めるし、なかなかピントが合わないときは「ちがう~~!!」とボヤいたりする。愛機のX-T3は、見た目が私の好みのど真ん中ストライクなので、連れ出すたびに「今日もか

カメラ歴が長い、というコンプレックス

生まれてはじめてカメラを買ったのが、大学の合格発表の日。2011年の3月10日だった。はじめてカメラを持って撮影に行ったのが、その翌日。 写真を撮るようになってから、かれこれもう8年になる。 8年という響きに、ぞっとしてしまう。この8年、私は何を撮ってきただろう。何を見てきただろう。何か成長できただろうか。何か変われただろうか。途中で3年ほど、ほとんどカメラを持たない時期もあった。もっとちゃんと写真と向き合えていれば、ぜんぜん違う未来がひらけてたんじゃないだろうか。ふと、

「ボケない写真」にチャレンジして気づいたこと

昨日の noteに書いた「制限をつけて写真を撮る練習」をやってみて、気づいたこと。 ・規則性のあるものに目がいくようになる ボカさないでも綺麗なものって、模様として綺麗なものが多いことに気づきました。均等にならんだ物体が、いつも以上に目に飛び込んでくる ・写真の中に「いれない」要素に気を使うようになる ボケでごまかせない分、余計な要素に気を使うようになりました。逆に言えば、今までかなりボカして誤魔化していたということか…恐怖! ・影の造形に意識が向く 自然と影の形を気

「ボケる写真を撮る人は、ボケた人です」耳の痛いフレーズの裏側に

タイトルは、note主催のスマホ写真ワークショップにて、講師の鈴木心さんが繰り出した言葉だった。 なにを隠そう、私はボケが大好きだ。 開放万歳、F値1.4ラブ。背景なんてみんな溶けてしまえばどこだって美しい写真が撮れるし、玉ボケはキラキラしててかわいくて正義。そう信じて疑わずに生きてきた。今日のボケボケなアイキャッチ画像も、私が撮った写真だ。 Twitter上で「開放でしか撮れないやつはクズ」なんて発言を見かけることもあった。だけど「それは単に撮るジャンルの好みの違いで

好きな人と、闘うことになりました

新宿、20時。 ぐつぐつと煮える火鍋をはさんで向かい合い、私とさどまちは呆気にとられていた。 広く清潔な店内を中国語が飛び交い、足元には鮮やかな鯉が泳ぐプロジェクションマッピング。 京劇(一瞬で顔が変わる門外不出のあれ)の恰好をした人が得意気に闊歩し、びょんびょんと伸びる麺をなわとびのように自在にあやつるカンフーマスターが拍手を受けていた。 なんなんだ、ここは。 どうなるのだ、今夜。 * 私のnoteをよく読んでくださるかたはご存知かと思うけれど、さどまちは私の

カメラを買ったきっかけ

カメラを買ったきっかけは、高校の文化祭だった。 文化祭のオープニングムービーを担当することになり、地学の先生に監修してもらいながら、動画をつくりはじめた。 カメラなんてもちろん持っていなかったので、写真部の友人に頼んで貸してもらった。 はじめて触ってみて驚いた。見える景色が、ぜんぜん違う。 いつも見てる景色なのに、ファインダー越しの風景はまるで映画のワンシーンのようで。毎日飽きるほど居る場所なのに、シャッターを切ったとたん、目の前の景色が過去になって。「あ、いつか私は

「フォトウォークって何が楽しいの?」というお話

本日は、けんぴさん主催のフォトウォークイベント「 #透明な青を探しに 」にゲスト講師として参加させていただきました。 ▽主催者 デザイナーのけんぴさん ▽ロゴ作成&モデル さくらちゃん 今までいくつもフォトウォークは参加してきたけれど、主催者側にまわるのも、ましてや講師として撮り方をお伝えするのも初めての経験でした。 「ちゃんと人集まるかな?」 「楽しく撮れるかな?」 「トラブル起きたらどうしよう・・」 などなど、直前まで心配は尽きなかったのですが、参加者のみなさん

「はじめまして」でも笑顔を引き出す、カップル撮影の魔法のことば

ここ数か月ほど、週末カメラマンとしてカップルや家族を撮影しています。 ありがたいことに、私の撮った写真を見て「いい笑顔を撮ってる」という感想をいただくことが増えてきました。 笑顔を引き出す・・・というと、どんなことを想像しますか? 私はずっと、陽気で人好きでおしゃべり上手な人のことを想像していました。 noteにはちょくちょく書いてますが、私は話すのが得意なタイプではありません。気の利いた冗談なんて言えないし、自分自身があんまりずかずか踏み込まれたくない性格なだけに、

"透明感" に恋をした日

小学3年生くらいのころ、夏休みのスケッチ教室に参加した。 近所の公園で、ゆるく楽しく絵を描くイベント。 * 絵を描き終わったころ、誰かが講師の先生に向かって質問した。もしかすると私自身が訊いたのかもしれないけれど、ちょっと記憶が定かじゃない。 「空のうすい水色って、どうしたらいいの?」 「うーん、水をたっぷり含ませることかな」というアドバイスのあと、先生はこう続けた。 「みなさんが使ってるのは不透明水彩と呼ばれる絵の具なの」 そう、当時私たちが使っていたのは、小

「あなたの写真、つまらなくなった」と言われた話

なにかを作る人なら、経験があるかもしれない。 何も考えず、無邪気に楽しんでいた最初のころのほうが、いいものを作っていたのでは・・・?という不安にかられること。 まさにその状態に陥ったのが、1ヶ月前のことだった。 写真について、尊敬するカメラマンにアドバイスをもらうタイミングがあった。そこで言われたのが、「ぽんずちゃんの写真、つまらなくなったね」という言葉。 ずーーん、と鈍く胃のあたりが痛むような気持ちだった。 「つまらない」よりも「つまらなくなった」のほうが、ショッ

日本を旅する人の姿を、写真に撮りたい

先日、こんなツイートをしました。 長いあいだ、なんとなく心の中では思っていたのだけど、最近この気持ちが強くなってきました。 理由の1つ目は、「ニーズをひしひしと感じるから」。 カップル撮影の修行として、浅草などでナンパ撮影を行なっているのですが、声をかけた相手の半分くらいは、海外から来た旅行客のかたたちなんですね。日本に来て、浴衣を来て、浅草を散歩する。そんな時間を写真に撮らせてもらうと、ものすごく喜んでもらえるんです。自撮り棒には限界があるし、一生に一度と言っても過言