得意な国語と敬語の話せないわたし。
「国語、得意だった?」
突然の質問に身構える。
なんで、そんな質問をしてくるのか。学生時代のことを思い浮かべると、国語は1番の得意科目。
数学の史上最悪の点数で心が折れなかったのは、“私には国語がある”という謎の自信があったからだ。
そんな自信のあった教科の得意/不得意を聞かれて
「点数は...」
取れる方だった。なんて口に出しかけた。
「...いや、ぼちぼちですね。」
直感で“ぼちぼち”という当たり障りのない返答をする。
空気感や周りの反応、表情から私の直感は0,1秒で言い直しをさせたのである。
その直感は、当たっていて。
私に国語の不得意を聞いた理由は、私が敬語が喋れていないからというものだった。
***
敬語が喋れない。
自分でも気がついていた。直そうと思ったこともある。けれど、行動には移していない。
社会人。21歳。
そろそろ、危険信号が赤に変わりかけている。
今までの人生。
敬語を学べる機会はあっただろう。
学生時代の部活動やアルバイトでの接客。
目上の人と会うときなんか尚更。
それでも、話せないのは、逃げていたしか言いようがない。
中学の部活動は先輩後輩関係が面倒さくて1週間で辞める。
アルバイトは接客はマニュアル通り。
敬語が話せていなくても気にしないでいてくれる優しい方が周りにたくさんいた。
自分に甘くて、人の優しさに頼っていたんだと思う。
***
そしてついに直面した、この敬語問題。
アルバイト時のわたしの電話対応から、この質問をしたようだ。
テキストの問題だと、正解する自信はある。
だけど、口から出ていく敬語のような言語は、確実に敬語ではない。
敬語を話せるようになるには、いくつかのプロセスが必要になってくると思う。
1、口に出す
2、覚える
3、日常で使う
4、口で覚える
つまり、覚えて使っていくしかないという基本に立ち返る。
そもそも、紙の上では敬語がわかるのに、なぜ話すとなると口からよくわからない言語を話すようになるのか。
自分のことを考えてみた。
***
わたしは、人と仲良くなるのが苦手だ。
人見知りではあるし
コミュニケーションがうまく取れないし
自分の気持ちを伝えるのが苦手だ
人と仲良くなりたくてもやり方がわからない。
そんなわたしが編み出したのが、敬語を使わないという方法。
自分が敬語を話されると距離を感じてしまうから。
それに、普段の喋り方以外(敬語)で話すとなんだかいつもより喋れない気がした。
仲良くなりたいのにぎこちない敬語で言葉を紡ぐと、ホロホロと言葉が崩れ落ちていき、つぎはぎだらけの文章が完成する。
そうして、わたしはのらりくらりとふんわりとしたコミュニケーションをとってきた。
***
敬語を話せなくなったのは自業自得。
長々と説明をしたが、言い訳でしかないのが現実。
そもそも、21歳が敬語で色々と言い訳しているのも、恥ずかしい。(と思いながらも、話せない自分を否定するのはちょっと少し寂しい。笑)
今はまだ、「国語は得意です!」と大きな声では言えないけれど、胸を張って言えるようにいつかなりたいな〜
なんて、帰りの電車の中でゆらゆらと揺れながら考えていました。
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