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宙組公演「NEVER SAY GOODBYE」を観る前に。 (※4/22更新)


宙組公演「NEVER SAY GOODBYE」が間もなく、東京宝塚劇場で上演されるのを前に、一応まとめておこうかな、という備忘録です、ハイ。

ざっくりとしたあらすじと人物相関図は下記宝塚歌劇団HPリンク参照で。

1936年。ナチス政権下のベルリンオリンピックに対抗してバルセロナで人民オリンピックが開かれる。取材に訪れた人気写真家ジョルジュは、リベラルな女性劇作家キャサリンと運命的な再会を果たし、二人は恋に落ちるが、やがてスペイン内戦に巻き込まれて行く。

https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2022/neversaygoodbye/cpl73a000009wo5b-att/cpl73a00000aihlk.pdf

今回の舞台がスペイン内戦ということで、日本人にはあまり馴染みがないんですけど、宝塚大劇場で幸運にも観ることができたので、その後色々と調べました。(再開初日と前楽を観ましたが感想は機会があれば。その前に東京公演始まりそうですね。って初回UPしたときに言いましたがもう既に始まってますね。笑)

初演のときの小池先生の記事を見つけたので、よろしければこちらも合わせてどうぞ。

 日本に於いて太平洋戦争や第二次世界大戦に関わる本って沢山出版されていますけど、スペインではそれと同じくらい重要な位置づけ。

twitterのモーメントでも色々流してはいたんですけど、文字の追記ができないのでどうもそっけない感じになってしまっており、またジャンルごとに分けきれてないのでゴチャゴチャした感じになっていました。あと、twitterに関してはここ最近スパム系からのフォローがやたら多い為鍵かけてしまうとそれらも見られなくなるよね、と思って苦慮していたところでした。色々考えていたら、「noteがあるじゃない」と思ってnoteに纏めることにしました。

長くなると思いますが、ほぼ自己満のものにすぎませんがお付き合いいただければと思います。

※本文中に出てくる方は敬称略で記載しております。

【歴史的背景】

この頃のスペインに限らず欧州の不安定さは正直複雑すぎてわかりにくい部分が多いので、約30分の動画にまとめてくださってた方がいらっしゃったので、こちらのyoutubeの動画を。 まとめてくださった方、ありがとうございます。

【Web】

wikipedia (EN)

スペインの情報誌[acueducto(アクエドゥクト)] 2016年11月号 vol.27
P.5~P.12

https://acueducto.jp/pdf/acueducto27.pdf

一橋大学 上野卓郎教授による論説
https://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/hermes/ir/re/11119/ronso1020300620.pdf

スペインで完売続出したドキュメンタリーが暴く歴史[Newsweek 2019年1月]
https://www.newsweekjapan.jp/stories/culture/2019/01/post-11502.php

バルセロナ・オリンピックはなぜ成功したか(2015年7月)
https://www.nippon.com/ja/column/g00283/


【舞台】

ゲルニカ
ピカソの故郷でもある、スペイン北部の街、ゲルニカが舞台。栗山民也演出。上白石萌歌主演。
下記は公式サイトよりあらすじを引用。

ゲルニカの元領主の娘として、なに不自由なく生きてきたサラ。しかし、世間では旧体制派と新体制派が激突。
ドイツやソビエトなどの軍隊も加わり、スペイン内戦が本格化していた。サラの婚礼直前、幼なじみの婚約者が突然、戦いに参加したいと出て行ってしまう。この国で今、なにが起きているのか。街の食堂に出入りするようになったサラは、街の人々や兵士たち、海外特派員と触れ合い、各地で激戦が行われているのを知る。イグナシオという兵士と出会い、いつしか恋に落ちるサラ。しかし、彼はドイツ軍のスパイで、密かにゲルニカを爆撃するための工作を進めていた。そんな折、サラの妊娠が発覚。人々の思いが交錯する中、戦いは激しさを増し、空爆がゲルニカの街を襲う……。


【映画】

メキシカン・スーツケース ※DVD廃盤
キャパの長年行方不明だったネガが弟コーネルの手に渡るまでの映画。(余談ですがコーネルの手に渡ったのはコーネルの死の数か月前との事)

血と砂(1922、1941、1989)

下記リンクは1922年のリメイク。1989年にもリメイクされている。
作中でマーク(寿つかさ)が「カルメンをベースにしたもの」とエレン(天彩峰里)とヴィセント(芹香斗亜)の映画(スペインの嵐)の紹介をするけど元ネタはこれかな?
サブスク系で探してみたところ、Netflixでは見当たりませんでしたがAmazonプライムにはあった模様。(※Amazonプライムにあるのは1941年版。公開年が1952年となってますが日本公開が1952年の為)

Soldados de Salamina(サラミナの兵士たち) ※日本未公開
スペインでベストセラーとなった同名の書籍の映画版。
下記リンクはあらすじと公開時に観られた方のレポート。

作家になることを諦めたはずのロラはスペイン内戦の末期に実際に起きた事件を調べ始める。ロラは矛盾や謎めいた人物たちに満ちた歴史の断片をパズルのように組み立てていく。真実を追い求めていく先に得たものは、自分自身を見つけることだった。

戦争のさなかで(第32回東京国際映画祭出展作品) ※動画は英字幕。

著名な哲学者にして劇作家であったミゲル・デ・ウナムーノが、スペイン内戦に際してフランコとの関係や自らの思想と行動のジレンマに苦悩する姿を、名匠アメナーバル監督が丁寧に描く歴史ドラマ。


【作中登場人物関連】

コマロフ(夏美よう) のモデルっぽい
内戦当時、ソ連諜報部のNKVDの支局長。そして、POUMの武装鎮圧を行っている。

ラ・パッショナリア(留依蒔世)
こちらは実在の人物。(立ち位置は作中では女性闘士となっているが)
本名:ドロレス・イバルリ

イバルリの演説全文(英訳)


【作中登場するプロパガンダポスター関連】

https://www.marxists.org/history/spain/art/Poum.jpg

https://www.marxists.org/history/spain/art/POUM-Conquesta.jpg




本編登場時少し見切れていますが。。




【書籍】

註.)書籍は本国版も含めると膨大な量になるのが予想されるので、日本語訳が出ているもの且つ最小限に抑えておきますのでご了承ください。

ロバート・キャパ 「スペイン内戦」
キャパが報道写真家として知られるようになった際のもの。
女性たちが銃を持っていたりなど、内戦の激しさを知るには良い一冊。
本自体はでかい、そしてなかなかの重量。
そこそこな大型本なので、市区町村の図書館にあればそこで観るのが良いかも。
写真を観るだけでも価値はある。

ミケル・シグアン「二十歳の戦争―ある知識人のスペイン内戦回想録」
スペイン内戦に一介の兵士として従軍した筆者の回想録。
筆者は内戦後、バルセロナ大学の心理学の教授になられたそう。
色々なエピソードを交えながら当時の事を書いてくれている。
一介の兵士として従軍したけど、筆者がいた部隊は識字率が低いために筆者が先生的な役割を担っていたことなど。

赤神諒「太陽の門」(2020年に日経にて連載)
カサブランカの前日譚。


【その他】

Spanish Civil War Museum (英語)
http://spanishcivilwarmuseum.com/

バルセロナに箱モノとしての内戦を伝えるミュージアムがない為(Google mapで確認しましたが確かにありませんでした苦笑)内戦を伝える仮想ミュージアム。写真はコレクターや所蔵している団体から借りている画像ですが、当時の貴重な品の数々を観ることができる。
日本語版の「カタロニア讃歌」が写真入りで紹介されている。

上記サイト及び現地で内戦を伝えるガイドをされている、Nick Lloyd氏のTwitterでは沢山の貴重なお写真を観ることができる。(海外の方ですので、ツイートは言うまでもなく英語ですが。)

サンテグジュペリの取材許可証の発見を知らせるニュース(2016年)
https://www.afpbb.com/articles/-/3092981

本編とは直接関係はないですが、ジョルジュのように、外国特派員としてスペイン入りする方も一定数いて、その中には著名な作家たちも多く。
「星の王子様」で知られるサンテグジュペリも現地で取材していた。

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