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『この恋を星には願わない』【第16話①】感想

「この恋を星には願わない」第16話①が更新されました!
最新刊3巻の続きが早速読めるの嬉しいね。

予告では、後輩の伊野ちゃんと冬葵という珍しいカット。どんな展開になるのか気になってました。

▽『この恋を星には願わない』3巻の感想はこちら


「この恋を星には願わない」第16話①扉絵に衝撃

まずは衝撃だったのが、このカラー扉絵…!!
今までのイラストとは趣が結構違うから、びっくりしました。今まで表現されていた儚さや切なさといった泡沫のような印象から、人間の業とか情欲が入り混じるような…? 昼ドラみたいな笑? そんな印象。
4巻のカラー扉絵になるのかな。新章突入といった感じでしょうか。

印象的な赤い彼岸花(だと思う)。
ちなみに赤い彼岸花の花言葉は、「情熱」「想うはあなたひとり」「あきらめ」「悲しい思い出」「また会う日を楽しみに」だったりするそうな。

冬葵の瑛莉ちゃんへの感情でもあるし、15話で大きな亀裂が入ってしまった幼馴染の関係性に向けた言葉でもあるのかな。

16話中でも語られていたけど、冬葵は3人にとってかすがいだったから…(涙)

(それはそうと、この冬葵かわいいねー♡)

感想1. 京ちゃん、それは不誠実では?

16話①を読んで最初に出た感想は、京ちゃんへのツッコミでした。(Xを見る限り、同じような感想だった方、多いのでは…?)
いやいやいやいや京ちゃん。伊野ちゃんと、そこまでしてたんかい。いや、正確にはどこまでか描かれてないけどさ、伊野ちゃんの「私を選んでくれた」の認識から想像するに、やることやってるでしょ。多分。

わかるよ、彼女に自分と付き合ったことを後悔してるようなことを言われて、裏切られたような気持ちになって、冬葵から瑛莉への、瑛莉から冬葵への想いの強さを合宿でさらに突きつけられてしまって、自分を蔑ろにされたような気持ちになって。
でもさ、いくらショックなことが起きたとはいえ、タイミングよく手を差し述べてきてくれた後輩の手をいとも簡単に取って、誘いにのって、ちょっとあっさりと流されすぎじゃない?
結果的にそれは、浮気になると思うよ。瑛莉ちゃんと最後まで話し合ってないんだから。今まで瑛莉ちゃんを弄びやがってと軽蔑してた男と同じことをしてない? それに、流れでそこまでしたんなら、真剣に好きだと言ってくれる後輩の気持ちを踏みにじる行為だとは思わないの?きょーへーー?って思ってしまった。
(別作品のタイトルを引用しちゃうけど、「百合に挟まる男は○○ばいい!」が一瞬浮んでしまったよ…笑。)

いや、京ちゃんに同情する部分はあるし、彼にも幸せになってほしいんだけどね。

フォロワーさんも書かれていたけど、京ちゃん、優しいし悪い人じゃないんだけど、肝心なところで自分で決められない、他者に決断を委ねたい性格に見えるのよね。今回だけじゃなく、大事な決断を相手任せにするのは、これまでにも描かれてきたこと。そんな京ちゃんのちょっとダメなところが出まくってしまった回のような…。
他人の言動に流されれば、自分で決断しなければ、楽だもんね。自分でその責任を負わなくていいから。

今回も大学で、瑛莉ちゃんとの今後をどうすべきか、冬葵に判断を仰いだり、伊野ちゃんから声をかけられてもはぐらかしてその場から逃げたり。
ちょっとみっともないぞ、京ちゃんーーー。

対する冬葵は、もう清々しいくらいに安定の冬葵だった。 
自分が好きな相手が別れた方がいいかどうか、その恋人から聞かれるなんてつらすぎるでしょ…。
でも、狼狽えることなく、明かせない自分の本当の望みをちらつかせるでもなく、

"二人の喧嘩も仲裁も慣れっこ
私のことは気にしないで
できれば仲良くしてくれてた方が嬉しいなと思うけど"

この返しは普通できないよー。えらいよ冬葵ーー。

シチュエーションは多々違うけれども、2巻でつらいめに遭ったときに、如咲さんからの"なぐさめ"に流されなかった冬葵と、今回、あっさりと流された京ちゃん。
おまけに冬葵にとって妃咲さんは、お互いに本気ではない割り切った関係。自分を慰めるために体を許したところで、誰も傷つけるわけじゃない。それでも冬葵は、自分の瑛莉ちゃんへの気持ちの大きさを自覚しているから、妃咲さんとそういう行為はできなかった。自分の意思で、しなかった。
対して京ちゃんは、描写だけ見る限りでは、流されて、キスをして、押し倒して、たぶんその後もしてる。
男女の違いとかそういうことではなく、第三者から見ると、それは二人の瑛莉ちゃんへの想いの強さの差では?と思ってしまうよ。

(と言いつつ、伊野ちゃんの言葉に私が勘違いしただけで、「やっぱりできない…」と京ちゃんが断っていたならごめん謝ります)

感想2. 伊野ちゃんも伊野ちゃん…とは思う

伊野ちゃんも、いやいやいや何してるの?とは思いました。
伊野ちゃんが京ちゃんと瑛莉ちゃんの話をどこまで聴いていたかはわからないけど、相手が弱ってるところにつけ込んで、まだ恋人と別れていない相手にキスをして、自ら部屋に誘って、ずるい女の子とは思う。
気持ちはわかるけどね。京先輩のことを他の誰よりも一途に想い続けてきた自負があるんだろうし、自分の好きな相手を蔑ろにしてるように見える瑛莉ちゃんの態度が許せないから、だから一歩踏み込んだ行為にまで及んだのだろうなとは思うけど。それでも賛同はできないかなと思う。

ここも冬葵との対比だなと感じていて、冬葵は、瑛莉ちゃんが誰かに傷つけられて、弱って自分を頼ってきたとき、つけ込むようなことはしない。瑛莉ちゃんが自分を見てくれるように仕向けるような駆け引きはしない。と思う。
瑛莉ちゃんの話を全部聞いて、瑛莉ちゃんの意思を尊重して肯定して、時にはアドバイスをして、瑛莉ちゃんがずっと幸せでいられるように黒子に徹しようとする。幼馴染として、親友として、昔からそれが自分の役割だと考えていて、今もこの先もそのつもりでいる。

感想3. 冬葵をさらに好きになった16話

というような感じで、16話①は、拡大していく合宿の火種の延焼を眺めながら過去の話を振り返ったりして、ここにきて自分中心的な登場人物が目立つなかで、どんなときも瑛莉ちゃんへの真摯な愛情を貫きとおす冬葵をより好きになった、応援したくなった回だな、と思いました。

もう少しだけでも、自分に正直に、自分の気持ちを彼女に向けてもいいんだよ、と思う。
心から、冬葵に幸あれ。ほんとに。

「この恋を星には願わない」次回16②の更新は9月27日!

次回の更新は、9月27日だそうです。早い。嬉しい。無理しないで紫のあ先生ー、という気持ちが入り混じるけど、やっぱり嬉しい。

京ちゃんが冬葵に言ってた「今度の週末」が描かれるのかな。更新が待ち遠しいです。

▽コミックスは3巻まで発売中



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