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1年生になる前に、絶対に身につけておくと良いことは、この3つ〜その①

①くつをそろえること

これに???と思った人はいると思います。
下駄箱に入れることなんて当たり前だし、学校🏫に行くようになって、その場所でちゃんと言えばできることなのでは?って。

でも、長年教師やってると、靴の入れ方ひとつでその子の性格や家庭でのしつけ方、これからの学校での困り感がほぼ分かります。

学校の下駄箱は上段に上靴、下段に通学用の靴を入れる構造になっています。
まず履いてきた靴、通称下靴を入れますが、次のような様子が見られます。

①かかとを揃えて下段の手前の線ぴったりに入れる子
②かかとを揃えて下段に真っ直ぐ奥に入れる子
③下段にそのまま突っ込む子
④下段に放り投げて上下逆でも平気な子
⑤上下の靴の場所を間違える子
⑥よく下靴を抜きっぱなし、または下に落としても気付かない子

年長のお子さんが身近におられる方、
今のお子さんはどれに当てはまりますか? 

①が素晴らしいのはお分かりだと思います。
④⑤でも、元気が良くて良いし、学校で教えて貰えばいいのでは?
と思う方もおられると思います。

でも違います。
教えてすぐできるようなら、今すぐ教えてあげてください。
学校では覚えることが沢山あります。
勉強だけではなくて、学校生活の全般を考えると膨大な情報量です。
入学した次の日から、担任の先生や保健室の先生、上級生からたくさんのことを学ばなくてはなりません。
6歳の子どもが、新しい環境に馴染もうと必死で身につけようと頑張るのです。

なので靴の入れ方を丁寧に教える時間を設ける教師は少ないです。
それまでに靴の揃え方を全く知らない子は、他の先生達が、靴が散らかっている、と指導しなければならないのです。
当然注意で、褒められることではありません。

そうやって注意をたくさん受けていきます。
頑張っているのに注意が多いということは、その子の自尊心が少しずつ削られていくことなのです。
学校はつまらない所、と思う子は絶対的に注意又は叱責を受けている子が多いのです。

そんなリスクは入学前に取ってあげて下さい。
外から帰った時に、揃えることを教え褒めてあげれば、大抵の幼児は身につけられます。

問題は、何度も教えているのに、身につかない。
学校でも教えてもらったのに、靴は出しっ放しが直らない子、という子です。

こういう子は、靴だけでなく、持ち物全般の片付けが出来ません。
本人は注意された時は素直に反省するのですが、
また同じように散らかります。

学校では家と違って自分のスペースはとても少ないです。
まず机の引き出しと上、椅子の上、個人のロッカー、廊下の袋掛け、後は靴箱です。
その中に自分の荷物を効率よく納めなくてはいけません。

今まで家で散らかし放題、片付けは他の人がやってくれていた子は、自分の持ち物を効率的に片付ける訓練ができていなくて、持ち物管理にとても苦労します。

担任はロッカーにランドセルをどのように入れるか、見本の絵や写真まで用意して、初めは丁寧に教えますが、教えたことはできて当たり前、とも思っています。

ここでしっかり覚えてその通りにできる子が大半ですが、中には何度言っても物が散らかる子がいます。

多分、家で教えている時からできなくて、「学校に行ったらちゃんとするだろう」と思っている親は多いと思われるのですが、はっきり言って、なんともなりません。

いわゆる、「片付けられない女」とか言われている大人は、すでに小学校1年生から片付けられません。

そういう子にはその子に合った支援を講じる必要があります。
入学前から分かっている場合は、入学早々から支援体制を学校が組んで対処します。
担任が、その子専用の片付けボックスを用意したり、場合によっては支援員の配置もあります(片付け苦手、というだけではなく他の要因もあったり、複数の支援を要する子が在籍する場合)。
他の先生ともその子についての情報が共有されていれば、靴が散らかっていいても、「ああ、あの子の靴ね」と多めにみてもらえます。

この支援は、早ければ早い方が、その子の困り感や余計な叱責を受けることが減ります。
期待いっぱいで入学した子どもの毎日が、注意や叱責ばかりにならないために、まず、脱いだ靴を揃えることを教えてあげてください。
そして、何度教えてもできない、持ち物が定位置に戻せない、というお子さんは早めに保育園、幼稚園の先生方と話し合い、次入学する小学校への情報の連携を測ってください。

義務化されている自治体の就学時健康診断や就学相談は、あくまでも特別支援学級等への入学を進める場合なのですが、それに該当しなくても支援を要する子はいるわけです。
いわゆる、グレーゾーンにいる子達。
この子達は、特別支援学校や支援教室に行くほどではないけれど、普通学級では少し、またはとても苦労する子達です。
普通学級でも何らかの支援策をする方法を、担任中心で支援計画が立てられます。
このことについては、別の機会にお話ししたいと思います。

話をまとめると

①入学前に靴を揃えるなどの持ち物の管理は練習しておく。
②ちゃんと教えているのに何度やってもできない場合は、幼稚園や保育園、または就学時健康診断などで相談する。
③その子に合った片付け方を家庭で模索し、良い方法があったら、入学前か入学してから学校側と情報を共有する。

希望いっぱいに入学してくる子供達に、少しでも楽しい学校生活が送れるよう、周りの大人がしてあげれることの、大切なことの1つです。
決して、そんな支援をしてもらうなんて恥ずかしい、などど大人の都合で避けることはしないでください。

実際、学校で支援をしてあげたくても、保護者の同意が得られなくて支援ができず、その子が悲しい思いをしていることが多々あります。
その子の未来が灰色になるかバラ色になるか、自将来立できるようになるためにはどうすべきか。


たかが、靴を揃えることですが、保護者さんの勇気ある決断が必要なことにもつながるのです。










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