ミナトヨコハマ カミソリお蘭の足跡追って
あけたみたいね?
まきむらよ。
あなたは 元気でいるかしら?
わたしは元気で 料理にソシャゲ、
おさんぽ、執筆、などしています。
(一番最後、メンバー限定ゾーンにファンクラブ限定イベントについての提案があります)(限定って二回言った)
NHKカルチャー青山教室の男装史講義などをもとに、2020年に刊行するつもりで書いている「日本男装史(仮題)」。
新島八重など歴史上の偉人や、
水の江瀧子など伝説のスタアはもちろん
この本では、偉人でもスタアでもないけど男装で生き抜いた人々のことをこそ、きちんと大切に書きたいと思っています。
その中のひとりが
カミソリお蘭さん。
檀原照和さんの「消えた横浜娼婦たち」というノンフィクションにチラリと登場するスケバンです。
今のところ調べた限りでは、昭和横浜ってどうも男装花盛りだったみたい。その背景にはおそらく、
・ファッション最先端でオープンな土地柄
・山手のお嬢様たちから、少女歌劇や少女小説などのカルチャーにそそがれた憧れのまなざし
・あらくれ者も少なくない港町で女(という扱いを受ける人)が一人歩きするときの護身の必要性
・そもそも横浜自体が、何らかの理由で故郷に居られなくなった/居たくなくなった人々の流れ着く街でもあった。しがらみを絶って新しい人生を生きるために男装した
などがあったと推測しています(まだ検証中だけど)。
カミソリお蘭さんの資料全然見つからなくて泣きそうだったんだけど、今日!やっと!!見つかったっぽい!!別の意味で泣きそう!!!!
本当、カミソリお蘭さん死んじゃってるから、連絡して取材を申し込むわけにもいかないしね。古い新聞を1ページ1ページ読むとか、ゆかりの地を歩いて話を聞くとか、そういう地道な作業をするしかないわけ。もしくは、資料を扱うプロに聞くこと。古書店のご主人、図書館の司書さん、各地の郷土史研究家の方々などが、もう亡くなった人々の生きた足跡を一緒に辿ってくださって。
カミソリお蘭さんはじめ、偉人もスタアも目指さなかったけど生きて死んでいったみんなに、話しかけたくなるような気持ちです。「ねえ、2020年にあなたのことをこんなにも一生懸命探す人がいるなんて想像してた?」って。
「なくなりそうな世界のことば」っていう、そのものずばり地球上から消えてしまいそうな少数言語についての本に書いてあったんだけど、
インド洋のアンダマン諸島の言語では、眠る時に見る「夢」と「死後の世界」とを同じ言葉で表したんだって。
もうその言語は滅びてしまったので、その言語を話す人たちがどう考えていたのかわからないけど、もしかしたら、「自分も死んだことがある。毎晩死んでるよ」って思ってたのかもしれないな。
ひとは……ひとに限らずあらゆる生命は、みんな、生きて、死ぬ。みんな、生きて、死ぬんだけど。倒れた鹿が土に還って、いつか樹々の葉脈をはしる養分になるみたいに、ある人が遺した何気ない一言が、その人を見送った人の中でふとまた浮かび上がるみたいに、死は生へ、生は死へ、途切れることなく繋がって回り続けてるんだな。って、考えています。
このぐるぐるの中に溶けていくものを、たくさん作り出していきたい。日本の男装の歴史はもちろん、フィクションの中の男装、世界各地の男装、異なる言語がカタコト同士で接触するところに生まれるもの、明治時代に女性同士で生きようとした人々がどう咲こうとしてどう散っていったか……など、書きたいものがあまりにもめちゃくちゃたくさんあります。
それはいつも、あなたに向けて書いているものなのよ。読んでくださるあなたに向けて。わたしの言葉がうまく伝わらなくてあなたを傷つけたり、わたしが伝えるために選んだ言葉そのものがむかしあなたを傷つけたことのある言葉であったりして、読者さんに対して恩を仇で返すようなことになっているかもしれないと、思います。けど、わたしが書いた言葉でなくたって、言葉による傷は言葉がふさいでいくものだから、あなたの傷を癒しあなたを奮い立たせる言葉は、きっと見つかると信じています。
文筆業を営んで今年7年目になります。牧村朝子として芸能事務所に所属してからは10年。あの頃とはずいぶん変わりました。それでも変わらずあの頃から応援してくださってるかた、ありがとうございます。最近になって知ってくださった方も、ご縁を嬉しく思います。一度離れてまた戻ってきてくださった方も、ごめんね。また、よろしくね。
今年はネット上の短い文章より、本の形での長い文章をいっぱい書いていきたいなと思ってるので、画面越しに見るとあんまり何もやってないように見えるかもしれないけど、note越しにあなたとお話できたら嬉しいです。
ということで、旧年中は、本当にありがとうございました。今年、あなたにいいこといっぱいありますように。新年っていい言葉ね。切り替えていきましょ。
さて、ここからしたは、もしかして1月25日にやるかもしれないファンクラブ限定イベントと、前の記事にいただいたコメントのお返事です。
ここから先は
なんかこう、まきむぅたちとしゃべったりとかするとこ
タレント・文筆家のまきむぅこと牧村朝子が、雑談、日記、音声コンテンツ、あなたからのコメント読みをやったりする、いわゆる公式ファンクラブです…
応援していただけるの、とってもありがたいです。サポートくださった方にはお礼のメッセージをお送りしています。使い道はご報告の上で、資料の購入や取材の旅費にあて、なにかの作品の形でお返しします。