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あふれたものをすくうおしごと

相変わらず、水辺でメダカたちと暮らしながら読んだり書いたりしています。

まきむらわよ。

メダカは神奈川の言葉で「コメジャコ」と呼ばれていたそうです。

また「血筋」とか「家筋」とかいうときの「筋」というのは、一部地域の稲作用語で、「稲の命を代々つなぐための、来年まく種籾」という意味だったそうです。

差別を良い子の道徳ではなくて生々しい民俗史から考える、この本で知った話です。

イネやメダカ、土地の言葉で言い換えればコメやコメジャコを見ていると、本当に、毎年毎年いのちが代替わりしていくので、「昔の人たちは田んぼで米を作りながら生命の代替わりについて考えただろうなあ……」と本当に思います。

歴史の原稿をやっていて、江戸幕府が倒れた後の明治には「今の御代の天皇は不死だ」という説が流れていたことを知り、「そうじゃなかったじゃん」ってなった大正時代の人々が新しい絶対を求めて恋愛の形から憲法の民間草案まで悩みまくった気持ちがマジでわかるなって思いました。

LGBTについて書いているLGBTの著作家、ってだけで「自分もLGBTなんです!」って読者ばかり集めるような感じはなんか「中央から排除された人々を外側のテントに閉じ込めるような感じ」に思えてしまうので絶対に嫌です。

何かが正常で正統だと定められる、そうするとそこからあふれだすものが必ずある。

それをていねいにすくうおしごとをしていきたいと思います、「言葉という枠ですくいあげているだけであって元々は全部繋がって流れている流体なんだよ」ってことを忘れないようにしながら。

いま何書いて何読んでるのかちょっとマガジン限定でお話ししていこうと思います。

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