ふるさと

里帰りに来て、もう3週間。
私が帰ってきたとたん関東ではコロナがまた猛威をふるいだし、新潟の旦那実家へ行くことは白紙になり、旦那が新潟、佐渡にくることも白紙になった。

いつもは、本家でしばらく過ごして、従兄弟嫁の機嫌が悪くなってきたら叔母の家にしばらく置いてもらっていたが、今回佐渡内でもかなりコロナ感染者が増えており本家のちびたちはワクチンも受けていないので(春に一度コロナ感染はしている)叔母宅へも行くことが出来ず過ごしている。
従兄弟嫁にとっては私は他人であるが、私はこの家で生まれ、夏休み、春休みともなればずっと帰ってくるほど佐渡が好きだ。
祖父が亡くなり、祖母がなくなり、それでも本家の長である叔父(母の兄)は、いつでも来い、と言ってくれた。それがどれほど嬉しかったことだろう。お言葉に甘えて、長期休みを取るたびに佐渡に来ている。祖母が亡くなって2年後、母がずっと患っていた病気が悪くなり他界した。母は佐渡を愛していた。私が里帰りするたび、『お母さんの魂がゆりこと一緒に里帰りしているようで嬉しい。どうかじいちゃんばあちゃんを楽しませてやって』と言われていた。
母は本当は、嫁ぎ先の墓には入りたくなかったはずだったが、病気でいろんな欲をなくしてしまってからはもう墓なんてどうでもいい、と言い、嫁ぎ先の墓に入ったが、でも分骨して佐渡にも入りたい、父ちゃん母ちゃんと一緒が良いという言葉を弟に託したので今分骨されて佐渡の墓にも入れてもらっている。叔父もそれには快諾してくれた。

私が産まれる前に母が私に宛てた手紙がある。
夏休みは佐渡でうんと遊んでね、ということや、人の心の痛みの分かる優しい子になってね、ということ。音楽は絶対やってほしいなど。
当時はあまり出産前の性別判定が当てにならず、しなかったらしいが母は女の子だと確信していたらしい。
一年近く里帰り出産ということで佐渡に来て私を出産した。なので母の兄である叔父と奥さんである叔母、母の妹である叔母、祖父の会社の人たち、色んな人がよくしてくれた。
母は結婚に失敗して、姑からはいびられまくり、結婚相手は私が幼い頃から不倫していて、不倫がバレたのが私が高校2年の頃。弟がモロに現場を見てしまったので言い逃れようがない。その時にバレた相手は保険屋だったが、他にもボロは出まくって母はノイローゼになっていった。変な宗教に通い出したり、私と会っても延々と不倫の文句ばかり言うようになっていた。なら、離婚すればいいのにと言ってもそれはできないという。
子供が満場一致でこの親は離婚すべきとジャッジしたら強制離婚させられる法律とか作るべきだし、韓国みたいに不倫は罪として罰してくれたらいいのに。母が亡くなって、母の希望にそわない盛大な葬式をして、可哀想な自分を演じていたあいつ。今も女はいるだろう。
母ももっと普通に、不倫されたくそ!って実家に帰れば良かったのに。私がもし今不倫されても帰れる場所はないのに。帰れる実家があることがどれだけありがたいことか…

母の実家関係の人は数人この事実を知っている。流石に叔父叔母には言っていないが、なんとなく勘づいているだろう。だから私を佐渡に逃げさせてくれたのだろう。

母の兄である叔父は、強面で気分屋で頑固な人だ。でも私と弟を昔から本当に可愛がってくれた。今でもそれは変わらない。私なんてしょっちゅう帰ってくるのに、邪険にしないでいてくれる。今は従兄弟の子供がいて、とても可愛がっている。
最近気圧の変化が激しく、私は日々頭痛で午前中ぶっ倒れていて、今日は午後2時くらいまでは薬飲んでばあちゃんの部屋のほうで引きこもっていたが、その間孫たちと出かけていたらしく、私にタリーズのホットサンドと飲み物を買ってきてくれていた。自分では照れ臭かったのだろう、ちびたちに『ゆりこに持っていってやれ』と渡したそれらは、とてもありがたく、嬉しいものであった。
普段、体調が悪いというと心配しすぎて不機嫌になる叔父が、心配して私の好きなものを買ってきてくれたのだと思うと、私は本当にいつもなにかしてもらってばかりでなにも恩返しができていない気がして歯痒くもある。
毎年叔父の誕生日には私がデザインしたTシャツをプレゼントしているけど、それでは全然足りないほどいつもお世話になっている。プレゼントしたTシャツはヘビロテしてくれていてもうくたくたになっていて、それでもずっと着てくれている。
来年の誕生日には、今までのデザインの新品と、新しいデザインのものを贈れたらいいな。

もう、ここにはじいちゃんもばあちゃんもお母さんもいない。でも、子供の頃からお世話になった人たち、お母さんの親友、仕事でご縁があって仲良くなった人たちがいる。本当にありがたいことだと思う。
報いるためにも私はしっかり仕事をしなくてはと思っていたが、最近なかなか身体と心がついてこなくなった。
病院には毎月通っているが、やはり精神のスコアがよくなく、入院も薦められる。
子供の頃は暴力を受けて育っていたので、まぁ普通に考えてまともな精神状態ではない。本気で死のうと思ったこともたくさんある。
幼い頃から言葉と物理の暴力を浴びてきたので自己肯定感がない。仕事を上手くやれば誰かが褒めてくれる。それで精神のバランスをとってきた。
だけど、そろそろそれがかなり疲れてきてしまったことを今度病院で先生に話そうと思う。精神疾患でも障害者手帳は発行されるようなので、仕事を減らしてそこで補填出来ないか相談してみようと思う。

大好きな佐渡での生活も、あと3日。
まだまだ天気が荒れそうなので頭痛が心配だけど、最近全然自分でドライブも行ってなかったから、少し足を伸ばして小木とかにいけたらいいな。コロナがこんななのであまりふらふらするな言われてるけど従兄弟はいつも通り、夜は飲みに行ってるし… 
ドライブして、ちょっと買い物するくらいなら感染もそう簡単にはしないだろう。

今回の里帰りが終わったら、次はいつ来れるかな…
コロナがもっと落ち着いてくれれば秋に来たいけど…
冬場は海が荒れて船がなくなったりするし、スタッドレスじゃないと来れないので…

里帰りしたらとりあえず病院で先生と相談。それで事務バイトが辞められたらもっと自由に里帰り出来るし。叔父が元気なうちにたくさん会っておきたいのです。叔父叔母、母の親友、みんな元気な時にたくさん会って一緒の時間を過ごしたい。 

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