5,相手は医者なんだから我慢しなさい

警察に逃げ込んだこともあり、この先どうしよう…と悩んでいた時、「御両親に助けてもらえないの?」と刑事は色々と提案はしてくれた。両親、シェルター、支援団体、数日でも親しい知人などの家に逃げる事等。まだ小さい子供を連れて友人知人を頼る勇気は無かった。シェルターはとてもありがたい存在だったけど、出来るなら行きたくなかったのと後の支払いも思った以上に必要だったので、選択肢からは実家しかなかった。実家に連絡すると、父が警察署まで来てくれた。刑事と父も含めて経緯を話し、私と子供は父の車で実家へ行くこととなった。数日間実家にはいさせてもらった。その間にもこの先どうしたら良いのか、実は暴力のひどい人だということを相談した。しかし、父も母も二人そろって私に言った言葉は・・・「どう言ったところで、相手は医者なんだから我慢しなさい。所詮経済力よ。ゆりこが言葉巧みに上手に手のひらの上でころがしてさえすれば、打ち出の小槌なんだから。黙ってハイハイって言ってたらいいのよ。」という言葉だった。”いや・・・そんなことが出来る相手なら最初からしてる。””何がスイッチなのかわからない。突然機嫌を悪くして暴れて怒鳴る。こちらの意見を言ったり、質問をしただけで怒鳴って手がでるような人をどうやって転がすの…?”両親がこんな考えの持ち主とは、もう頼れない!…と失望した。この言葉を言われて、”もういい!私だけ我慢したらいいんでしょ…”そんな失望と親への不信感を心に刻み、自分でなんとかするしかないんだと、実家を出て、行く当てがないので、再び夫のいる家へ戻った。決して臨んだ道では無かった。やるしかない。子供が小さいからいつか絶対この子と出て自分で生きていく!と心の底に小さな信念が芽生えた。

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