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満月の夜に、旅立つ #ネパール旅行 前夜

偶然が奇跡のように重なって、思いがけず明日から旅に出ることになった。

場所はネパール。フライトチケットを取ったのは、なんと3日前。さすがにここまで急に海外に行くことにしたのは初めてで、チケットを取った後でビザが必要なことが分かったりして(!)肝を冷やしたけど、どうにかこうにか、旅立つことが出来そう。

「いつか行ってみたい国」という漠然とした憧れをもって、世界地図を頭の中で広げる時、ネパールはいつも頭の片隅にあった。

あの不思議な形の文字や、ヒマラヤという響き、本場のチャイの味を確かめてみたい、など。ネパールに惹かれる理由はいくつもあったけれど、はっきりと「いつか行く」と心に刻んだのは、向田麻衣さんの「美しい瞬間を生きる」という本を読んだことがきっかけだった。

著者の向田麻衣さん(現在は酒本麻衣さん)は、パートナーの酒本信太さんと共に「maishinta」という音楽ユニットで歌を歌ったり、香りを調香したりと、アーティストとして多彩な活動を行なっている。

麻衣さんはこの本を書いていた頃、ネパールで人身売買の被害にあわれた女性たちに、お化粧のワークショップを通して、自尊心を取り戻し、美しい瞬間を届けるという活動をされていた。情熱大陸でも取材されていたから知っている人も多いと思う。そこから現在に至るまでの、麻衣さんの決断や心の軌跡も、とても美しかった。詳しくはここでは書かないけれど、一貫した麻衣さんの美意識に、私はいつも深く感動する。

maishintaの1stアルバムの「love is」には、ネパールの地名や言葉が散りばめられていて、いつかこの曲たちを現地で聴けたら良いな、と思っていた。私はこのアルバムで何度泣いたか分からない。いつも勝手に涙が出てくる。どこか遠い国の情景を思い起こさせるような、優しく懐かしい旋律。2人の声の重なりも美しく、音楽で感動するってこういうことなんだ…と思った。現地で聴いたらまた、泣くと思う。

さて、今年の前半は、私にとっては重く苦しいことが多かった。体調不良で眠れない日が続いたし、訳もなく不安感が襲ってきて、疲れて疲れてしんどかった。少し、鬱っぽかったと思う。

でも夏至を越えたあたりから、ようやくその暗い日々を抜けて、本来の調子が戻ってきたと感じた。この暗い状態をなんとかしようと瞑想をしたり、誰かとお喋りしたり、身体に優しい食事を摂ることで、少しづつ自力で取り戻していったという面もある。だけど、ただ「時期が過ぎた」というのがしっくりくる。自分でコントロール出来るものではなかったような気がする。もう上手く思い出せないけれど。

私は、もともと直感を大事に行動していた。大学を決める時も、富山に移住した時も、夫と出会った時も、全部しっかりと直感が働いていた。それは誰かに教えられた訳でもなく、何かを選ぶ時は頭の中でイメージしたり、良いと「感じるもの」を選ぶということが、物心がついた頃から、当たり前だった。でもいつからかイメージの力は、「頭で考える」ほうに使われていたんだと思う。

「こっちのほうが後々自分のためになりそう」
「こっちのほうが無駄がない」
「こっちのほうが喜ばれそう」

こういう「思考」が次から次へと頭の中をぐるぐる回って、ずっと脳が疲弊していた。直感とか、理由は分からないけどなぜか惹かれる、とか、そういう根拠はないけれど心に浮かんでくるものを「思考」が打ち消して、大切に出来ていなかった。

そういう状態にあったことに、ここ最近やっと気づいた。だから今度は「直感を大切にする」と意識して過ごすことにした。自分に与えられたものを大切に出来なくて、心が豊かになるはずがない。良いものが、生み出せるはずもない。自分をもう一度信用しようと思った。

そうやって決断したら、はっきりと浮かんできた「ネパール、行くなら今なのでは?」という思い。ネパールには、今年の10月中旬くらいに仕事が落ち着くタイミングがありそうで、その時に行こうかな、とぼんやりと思ってはいた。

(今!?でも仕事もあるし…。行けなくはない…けど、仕事、結構頑張らないと無理だよなぁ。急過ぎるし、今から手配とか大変だよな〜〜〜ていうかいつまでこんな感じなんだ私は??)

行きたいけれど、行けない理由はいくらでも浮かんでくる。実は今、夫がケニアに3週間ほど出張中で、帰ってくる時までには私も家にいたい、という思いもあった。それを考えると、行くとしたら来週から1週間だった。本当に急だ。

この日の日記には「旅は、いつでも出来るという訳ではない。それはコロナ禍でも痛感したし、人にはいろいろな時期がある。頭で考えるよりも、直感で行動したいし、作りたい。今、自由に動けるはずなのに、私を動かさないものは何?」

と書いてある。気持ちは五分五分だった。はっきりと決められないから「行ったほうが良いのなら、何かサインをください」と心でお願いしてみた。そうだった。こうやってお願いすることを、よくやっていた。

そうしたら次の日、分かりやすくサインがきた。

お世話になっているガラス工房のオーナーから「ツボが割れて、急遽またメンテナンスをしなくてはいけなくなりました。2週間ほど工房をお休みします」と連絡がきたのだった。

「あ、サインがきた」とすぐに分かった。強制的に、仕事が休みになった。

え、本当に??行くの??来週!?

とドキドキして怖かった。でも心の底では「そっか」とすぐに納得していたと思う。こんなに分かりやすく来るなんて。後は覚悟を決めるだけだった。試しにカトマンズ行きのフライトを検索してみると、私が「行くならこの日から」と思っていたその日にだけ、直行便が出ている。しかもその日程だけ安い。時間もちょうど良い!そして出発の日は、満月だった。

満月の日に、旅立つ。そう思ったらもうワクワクして、心が完全に決まった。後は、行動するだけ!

こうしてネパール行きを決めたのでした。

随分と長く書いてしまった。なんだか、かなりスピリチュアルっぽく感じるかもしれないけれど、最近の私はこんな感じでした。次の創作の源に、もうすぐ手が届きそうな予感もしている。

次は現地からお届けできればと思います。
それでは、また!

記事を読んでいただいてありがとうございます。いただいたサポートは、次のだれかの元へ、気持ちよく循環させていけたらと思っています。