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羊歯と木漏れ日の世界で

5月の連休中、写真家の友人の高埜志保さんと、葉山の仙元山へハイキングに行ってきました。

と言っても、のんびり歩いても3時間ほどのゆったりとしたお山。海も見えるし良いお散歩コースだよ、と近所の友人から聞いていたから、気楽な気持ちで出発。

逗子駅で待ち合わせをして、大好きな「逗子茶寮  凛堂-rindo-」へ。前回は夜に飲みに行ったからランチは初めて。メニューに並ぶ「つゆひかり」「みなみさやか」「玉川早生」……お茶の名前も、いつも美しいなぁと思う。季節の美しい和菓子や飾られている草花、隅々まで行き届いた丁寧な空間に毎回感動する。この日は偶然お店の2周年記念日だったそうで、特別にお茶をプレゼントしてくださった。

所作が美しくていつも見惚れてしまう

大満足でお店を出て、駅前から出ているバスに乗り、山の入り口へ向かう。海の見える高台の住宅地を、ちょっと登ったところに入り口があった。中に入るとすぐに、木漏れ日のトンネル!

きれいきれい!と木漏れ日の中をゆっくりと登っていく。私は木漏れ日を写真に撮るのが好きだ。(多分高埜さんも好きだと思う)。どうする訳でもないのに、何枚も撮ってしまう。

私にとって「写真を撮ること」って何なんだろうって、最近よく思うんだよね、という話をした。実は結構撮っているのに、別にSNSに投稿する訳でもないし(たまに投稿したりもするけど)、もちろん仕事でもない。だったら目の前の「今」を感じることのみに集中したほうが、豊かな時間になるのでは?と思う時がある。でも、今のところ辞めようとは思わない。誰に見せる訳でもないけれど、時々すごく美しい瞬間が写っている時があって、それを見て1人でじんわり感動する。それで充分かと思ったり。

そういえばヨーロッパ旅行中に、私は写真を「挿絵」を描くような気持ちで撮る時があるなってことに気づいた。書きたいことが思い浮かんで、そこに挿絵のように寄り添う写真を撮りたくなる時がある。多分思っているよりも、写真は私にとって大切なものになっているんだと思う。

そんなことをぼんやり考えながら、道々で、大好きな山野草たちに出会う。ホタルカズラ、ナルコユリ、ホウチャクソウ、ニリンソウ、タチツボスミレなどなど。みんなちょうど花が咲き終わったところだった。代わりに今回は、シダ植物に目が釘付けになった。シダの若葉は繊細なレースのようで、影も美しい。最近は器の絵付けにシダの葉を描いたりもしている。山を歩いていると、一緒に共生しているもの同士を描きたくなる。

あっという間に山頂。少し休憩する。
広く相模湾が見渡せる。うっすらと富士山も見える。いいところだ。大きな木にブランコが付いていたけれど、高すぎて登れなかった。アザミの花が咲いている。秋になったらきっとアザミの綿毛が綺麗だろうな。またその頃にも来たい。

高野さんが撮ってくれた写真。自分の写真ってあんまり無いから嬉しい

山を降りて、カフェでコーヒーを飲む。ここに来るのは2度目。美味しい珈琲とシフォンケーキを頂く。少し不便な場所にあるからそんなに混み合うこともなくて、ゆったりしていて良い。

葉山の「カフェ・テーロ」

最近は目の前にいる人と話す時、なるべく素の自分でいることを少しだけ意識している。遠慮して思ったことを言えなかったり、この人にはこう見られたいと思っていたり、理由は様々だけど、本当の自分じゃない部分を出してしまうと、それは不思議と伝わってしまって、相手も本当の自分を出せなくなる。そんな上辺の会話は、あんまり必要無いかなと思った。

人は言葉だけではなく、その人の発している全てでコミュニケーションをとっているのだと、最近痛感している。だから高埜さんといる時も、そのとき思いついた、あんまり纏まってもいないような事もつらつらと話してみた。高埜さん、お付き合いありがとうございました。楽しかったねぇ。

☟高埜さんのnoteはこちら。この日のことも書いてくれたよ。


やっぱり森はいいな。森に行くと、考えが深まる気がする。今年はしっかり山に入る年にしたいと思う。

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