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ベルリンの自然 探訪録

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ドイツの首都にしてドイツ1カオスな街と言われるベルリン。街の中に広大で質素な公園が広がったり、少し郊外に出ると森と湖が広がる。 夏は力強く、冬は静かに佇む、どこか質素で無骨な自然…
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#小説

溶けた氷の下のゴミ、川に浮かぶ油

先週からいきなり気温が上がり、太陽が顔を出し、積もった雪はものすごい勢いで溶け、砂利だらけの地肌が出る。歩く人たちの着てる服も明るい色が増え、自分も水色のジージャンを久しぶりに羽織る。寒くて孤独で贅沢な冬が終わったのは嬉しいけども少し寂しい気もする。 絵描き仲間が日本に帰るのに、ベルリンで事前検査を受けるために私の家に一泊し早朝に見送った。まだ静かな朝、川沿いを散歩する。川に張っていた氷の一部が溶け始め、水面が所々現れていた。今まで真っ白に美しく凍っていた表面から一変、その

川の上を歩く鳥

家のカーテンを開けても4階から向かいの建物が見えるだけで気がつかなかったが、友達のあげたインスタのストーリーでベルリンに雪が積もってるいることを知った。先日の夜にだいぶ降っていたようで、確かに窓から下を覗きこんだら真っ白な雪が積もっていた。 去年の冬はあまり積もることがなかった雪だが、今年の冬はよく降って嬉しい。 外に出ると太陽が差していた。家の前の交差点にかかる橋からいつも散歩する川(運河)を眺める。川幅の端から端まで氷が張っていた。この前は池が凍ったが、とうとう川が凍