由梨花

本、漫画、音楽、映画の感想など

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最近の記事

恋愛シーン別 阿部真央のすすめ

小学六年生の頃からずっと、阿部真央が好き。デビュー当時の赤いギターをかき鳴らしながら力強い声で歌い上げる姿も、最近のピアノを弾きながら抑えた声でセクシーに歌う様子も、どちらも魅力的。そんな阿部真央について、私はどうしても自分の恋愛と重ねながら聴いてしまう癖がある。その時々で苦しんでいる出来事に共感したり、過去の恋愛を振り返ってしまったり、あるいはほとんど妄想に近い内容として具体化しながら聴いてみたり。せっかくなので特に素敵な歌をいくつか取り上げて、自分がどういう場面で聴いてき

    • 猫屋敷あもさんがいつでも“猫屋敷あも”を辞められるために——『ブルーピリオド』感想

      山口つばさ『ブルーピリオド』を11巻まで読んだ。久しぶりに漫画でボロボロ泣いて、面白さと苦しさの渦に飲まれていたら日曜日が終わった。 未読の方は以下のURLから2話分無料公開されているので、それだけでも読んでみてください。 https://afternoon.kodansha.co.jp/c/blueperiod.html せっかくなのでブルーピリオドの感想を書きたいのだけど、「ブルーピリオドめっちゃ面白い!」「才能と戦っている人間が読むと苦しい!」みたいな感想は誰かが書い

      • 『どうしたって伝えられないから』をどうしたって伝えたい!!

        みなさんはaikoを聴いていますか? 私は10年くらいaikoから離れていたんですが、周りにaiko好きが多いこともあり、久しぶりに真面目に聴いたんですよ、で、最新アルバムの『どうしたって伝えられないから』に撃ち抜かれました。発売は2021年なんですが、どうしてもこのアルバムの話をしたいので全曲の感想を書きます。各曲の好きな歌詞も載せます。ぜひ聴いてほしいんだけど、離別の歌が多いので精神状態によっては注意して聴いてください!!! 1.ばいばー-い 好きな歌詞:知らない同士に

        • 『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のネタバレしかない感想

          四日間で、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」のTVアニメ版、スペシャル、外伝、劇場版を一気に駆け抜けました。 外伝までは、本当に素晴らしかった。人生で観た中でもかなり上位に入るんじゃないかというくらい良いアニメで、噂に聞いていたぼろぼろ泣くというよりは、心が温まったり締め付けられたりしているうちに、ほろっと涙がこぼれてくるような作品だった。 そんな感じで外伝までが素晴らしかったからこそ、劇場版に対する煮え切らない思いを感想として残したくなった。 まず、本編の大筋についてはす

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        • 猫屋敷あもさんがいつでも“猫屋敷あも”を辞められるために——『ブルーピリオド』感想

        • 『どうしたって伝えられないから』をどうしたって伝えたい!!

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          お前もお前もお前も悪い/『ひばりの朝』感想

          ヤマシタトモコの『ひばりの朝』(全2巻)を読み、いてもたってもいられない気持ちになったので、作ったもののほとんど存在を忘れかけていたnoteを久しぶりに投稿してみる。誰かに読んでほしい気持ちがあるのでネタバレは避けようと思います。 主人公は中学生の女の子であるひばりなのだが、ひばり目線で語られるパートは少なく、ひばりが周りの人からどう見られているか、という様々な目線の切り替わりでストーリーは進んでいく。ひばりは中学生にしては「肉感的」な少女で、そのために周りから早熟であると

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          『憤死』するほどのエネルギーがない

          オーバーに表現して――あるいは文字通り――「死ぬほど悲しい」とか「死ぬほど腹が立つ」ということはみんなそれなりにあると思うのだけど、「憤る」という少し日常と遠い印象の感情を抱くことって、現実にそうあるものだろうか。そしてそれが自らの「死」に結びつくほど大きくなるって、一体どういう状況だろう。 綿矢りさの『憤死』は、作者の普段の作品のイメージとはかなりかけ離れた作品も収録されている短編集。表題作では、語り手が「憤死」のというものの発生する状況について考察シーンがある。歴史上の

          『憤死』するほどのエネルギーがない

          引っ越しと、『Iの悲劇』

          就職先が東京なので、本来ならば入社月である今月から東京に引っ越す予定でした。初の一人暮らし、初の東京、でかなり浮かれていたのだけど、コロナのあれこれでしばらく引っ越しはしないでね、と会社に言われ、まだ大阪の実家にいます(家だけは決まりました)。 私は広島生まれ兵庫育ちの大阪在住で、引っ越しも三回やっているので、引っ越しに対する心理的障壁がずいぶん低いんじゃないかと思います。同時に土地への愛着みたいなものも薄くて、人から「地元離れるのは寂しいでしょう」と言われても、ああそうい

          引っ越しと、『Iの悲劇』

          ご挨拶

          いきなり記事を始めてしまうのもな、と思い、一応このブログについての説明をしながら、ご挨拶でも。 はじめまして、あるいはいつもお世話になっています。今年から会社員をやっています。読む本は国内ミステリか綿矢りさくらい、という偏った読書傾向です。 普段は読書メーターに読んだ本の記録をつけているのだけど、読書メーターはかなり文字数が限られていて、データとしてはわかりやすいけど、感想としては物足りない。しかもTwitterと連携をしているから最初の何文字かがツイートされるのだけど、