フレキシブルは、万能な魔法の言葉ではない

採用は、応募する側からみれば、色々なことがきっちり決まっている思われるかもしれないが、実は結構「行き当たりばったり」なところがある。人は雇いたい。が、どんな経験やスキルを持っている人が、どんな人物がその組織に合うのか、科学的に割り出せない部分が多い。また、条件を詳細に決めすぎると、応募が来ないし、あまりざっくりしていると、条件に合わない応募が増える。

じゃ、応募が来たら、フレキシブルに対応しましょう

イメージとしては、一人一人の応募者の職務経歴書を丁寧に見て判断し、合否を決断していく。ほかの言葉でいうと「臨機応変」。本来はそうあるべきだが、実際は、具体的な考えなく、「決断を先延ばしにしている」ことがほとんどだと思う。

まずは、しっかり基準があることが大前提だ。採用ならば、最低限どんな経験やスキルをもっていなければならないのか。また、逆に「この経験やスキルはNG」という基準も必要だ。この二つがあれば、合否はそれほど悩むことはない。

それでも、その基準に当てはまらない事例は存在する。そこで登場するのが「フレキシブル」だ。そこには、豊富な知識、経験があることが前提だ。それもただ持っているだけでは不十分。その状況を瞬時に分析し、豊富な知識、経験から、最適な選択肢を最低5個ぐらいは、さっと頭に浮かんで、提案できることだ。

だが、そこには落とし穴がある。

フレキシブルには、責任を伴わない。

例えば、みんなの同意を得た採用条件ではなく、誰かが「いいんじゃない、それでも」と言う。もし採用された人が入社後、なかなか業績が上がらない、チームに馴染めないとき、「採用しようと言ったはあなたですよ」とツッコまれるからだ。その決定を押し切り、不合格にする責任は棚に上げて。だから、

フレキシブルには、許し合う心が必要不可欠。

私は、そんなフレキシブルの使われ方をみたことがない。決められないのなら、決まるまで、結論は先延ばしにした方がいい。

追記:leoponponさんのイラストを使わせていただきました。ありがとうございました。


「人生経験の引き出し」がいっぱいあります。何か悩み解決のヒントになる話が提供できるかもしれません。