3日目の夜【新幹線の中から】
朝6時に携帯の目覚ましが鳴って目が覚める。よく飲んで喋って数時間しか経ってないのに、どうして起きられるのかが自分でも不思議だ。
外はまだ暗くて爆風。おまけに雪も降って来て、自分ごと吹き飛ばされそうだ。それでも行ってみたかったのは、ホテルの近くにあった教会。三角屋根の白い教会で、光る巨大なクリスマスツリーが輝いていた。昨日の夜に見つけて、明日の朝に行ってみようと決めたのだった。
中に入ると、静かで暖かい場所だった。何人かの人がとても静かにして座っていた。私も一緒になって静かに座る。
これまでの楽しかった一つ一つのこと、今ちょっとお腹が痛いこと、友だちが元気でいること、今日からのこれからのこと、もの凄く眠いこと、色んなことを頭に浮かべてから、あとは半分寝ていた。
満足してホテルに戻ってまた少し寝てからチェックアウト。雪の降る極寒の世界を少し歩いて、寒さから逃れられる美術館や資料館で最後の一日を過ごした。
お土産を買って、別の道から帰る友達とハグをして別れ、新幹線に乗る。暖かい座席で泥団子みたいになって眠ってから、爆速で過ぎ去る残りの景色を眺めている。鈍行で来たので、凄まじい速さにぽかんとしてしまう。
すっかり夜になって、キラキラと真っ黒に流れる窓の外。上の方で止まってくれている細いお月様。車内販売のワゴンをのんびりと押すお姉さんのゆるやかな声を聴きながら、あと少し眠ろうかな。
旅が終わろうとしている。
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