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人生のすべてをスーツケースに詰め込んで

4月13日に日本の親戚を頼って来日したダリアさん(25歳)。インタビューをもとに、事務局にて編集しています。可能な限り、ご本人のリアルな感情を知って頂ければと思い掲載いたします。
ダリアさんは、母(57歳)と叔母(62歳)と3人で、神戸に住む親せきを頼り来日。ダリアさんは、ウクライナ・オデーサでは医師として活躍していました。


2022年3月7日
私たち家族はオデーサからバスでブルガリア・ヴァルナへ向かいました。そこで、難民キャンプにしばらく滞在し、その後、シェルターに移動しました。そこで、ウイルス性の病気が流行りはじめ感染をきっかけに、「なんとかここを出なくては!」と焦るようになりました。日本・神戸に親せきが住んでいましたが、彼女が経済的に決して余裕があるわけではないことを知っていたため、日本に行くことは夢にも思っていませんでした。それが、Facebookで、YMCAが私たちのようなウクライナからの人々の日本への渡航を支援しているとの情報を見つけ、夢が夢でなくなりました。YMCAはとても協力的で、メールでの多くの質問に辛抱強く答えてくれ、チケット購入や飛行機搭乗の手助けをしてくれたのです。ブルガリア・ソフィアの日本領事館でビザの手配に関する情報も教えてくれました。それだけでなく、YMCAは神戸に住む親せきも訪ね、来日後の生活に向けて相談にものってくれたと聞きました。

4月12日
私たちはウィーンから東京へ飛び、ヘルシンキ空港で1回乗り換えました。

4月13日

日本到着後の羽田空港にて

東京に到着すると、長い書類チェックと、再度、PCRテストを受けなければならず、約3時間かかりました。この間、空港ではYMCAのスタッフが待ってくれていました。とても温かく出迎えてくださり、荷物やホテルの手配、夕食の提供をしてくれました。長時間のフライトの後、このような気遣いは、不安の多い私たちの気持ちを明るくし、リラックスした気分にしてくれました。

4月14日
朝、東京から大阪に飛び、そこでようやく家族に会うことができました。


いま、想うこと
最初に。私たちはすでに2014年に一度、ドンバスで軍事的な出来事があったため、ドネツク州からオデーサへ家を出なければなりませんでした。だから、人生のすべてをスーツケースに詰め込んで未知の世界へ旅立つのは、これで二度目となり、それは耐え難いほど大変なことでした。何度も出発を延期しました。また仕事も、住まいも2014年から、医師になるための勉強と活動という8年間で築き上げ、慣れ親しんだ生活も捨てなければならなかったのです。
2つ目の困難は、3つの国境と多くの検問所を通過する難しさでした。貯蓄もほとんどなく、住むところや食べるものにも不安がありました。そんな中、ブルガリアのボランティアや難民センターの方々の協力はとても助かりました。しかし、シェルターでは新たな問題が発生しました。キャンプには多くの人がいるため、ウイルス感染が急速に広まり、私たちも感染してしまったのです。
最後に、最も困難なことは、ウクライナに残った親族や親しい友人への想いです。毎日連絡を取り合っています。私たちはとても心配しているのです。

今、私たちは言葉の壁をとても心配しています。日本語がなければ、コミュニケーションをとることも、新しい文化に適応することも、自信を持つことも不可能です。母や叔母は持病があり、常に薬の服用が必要なため、健康状態が心配です。また、経済的に日本の親せきにあまり頼らず、彼女の負担にならないように、仕事を見つけなければなりません。

私はウクライナで医師として働いており、この職業がとても好きなのです。今は資格を失うのが怖いです。私は日本で自分の職業に就きたいのですが、語学と日本の免許がなければ、診療を続けることはできません。

しかし、やはり何よりも心配なのは、愛する人や親戚、街や国の運命です。 
一日も早く平和が訪れることを祈ります。すべてがウクライナになる日を信じます。(It will be Ukraine! いつかきっとうまくいく、という願いが込められた言葉)

(横山由利亜)
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