卑怯者

鍵アカウントでつぶやくことや、顔や名前を出さないことに、疑問を抱かれたことはありますか。

人は意味がわからないものを卑怯だと扱ったりします。

こんなこと、他人は他人の事情があるだけで、その人の方針に口出しする方が煩いし偉そうなだけです。あれはいったい何様なの？

正論で押すやり方から論理的にあれすると、ソーシャルネットワークというものは、そもそも一人ひとりの使い方や、やりたい事に対してスタンスを自由に決められるものです。

顔を出した方が商売に良さそうならそうすればいいし、自分をスペクタクル化したいのならそれにふさわしい身なりでいたらいい。

実名の方が何かと便利ならそれでいいし、実生活と分けて仮名にしておきたいならそういう風に活用すればいいのです。

オープンな発言を届けたいのならそうすればいいし、クローズドなメンバーと会話したいならそう作成できるのがモニター越しの便利なところです。

最低限のモラルはきちんと考えて守るべきだけど、使用例まで誰かに従う必要はない。

…と、正論で押すと気に食わないって思われて損だし、まあまあつまらないんだよね。

私はSNSをやっているのに、競争とか品評会とか一覧みたいになるのが好きじゃないのです。それぞれの楽しい！とか嬉しい！は見たいし、読みたいです。安否がわかったりするのもありがたい。自分の発言も個人的なタグをつけていたりもしましたが、それはタグが流行ってほしいからではなくて、過去のメモを検索しやすいためだったんですよね。

誰かと張り合ったり、盛り上がりたいわけではない人もいるということはなかなか主張しづらいです。みんなでワイワイやるのがいいとされているし。

もちろん、皆で同じことを楽しむことで、連帯感が生まれたり、張り合いになってモチベーションを維持できる人が多いことは知っています。

運動会の組体操が終わったらグループで泣くとか出来なかった私なので、その感覚とは私が疎遠なだけです。

私はどちらかというと、少数派でも大勢に好かれていなくても、自由でいたいと思っていたんですけど、鍵をかけた方がまあご迷惑にならないのかな？と思っていたらそいつは卑怯だという話になっていた。

じゃあどうすればいいんだよ？

合わないものに無理に合わせるくらいならば、見知らぬものに戻った方がいいと思っているんだけれどな。というか何もかも気に入られていないだけよね、これ。うん。

私は顔も出してないし、見た目も地味だし、アイコンは物体だし、鍵アカウントもあるけれど、偽りなく暮らしていますし、愛する人たちのことが大好きなので満足しています。

どこにも書けない心の中の言葉を書いたり、実生活と離れたところで楽しみを見出したりすること、創作や作成されたものの中を泳ぐこと、名前や仕事と関係のないものを読むこと、自分がなんでもない傍観者になりたい時間はあってもいいし、大切だと思います。

卑怯でもないので、つまらないことを付け足しておくと、だからわたしのやりかたを変えようとしないでほしいんだよね。私は私の愛する人を守りたいし、私は私のやりたいタイミングを自分で考えられるの、知ってるでしょう。聞いてる？

2020.07.08.