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勝負事

勝負事は好きな方だ。勝ち負けがつくものをやるのならば興じるくらいはできる。

ただ、私は運動神経がてんで鈍いので、スポーツのなにかしらで勝てるようなものは一切ない。

では、と、ダーツとか、麻雀とか、ポーカーとかその手の勝負事に打ち込んだことはあるけれど、そのへんもさっぱり。

勝負事に才を見出せるのは、ほんのわずかな人たちだと思う。勝ち負けの世界でご飯を食べていける人はほんのひとにぎり。

なので、多くの凡人はいろいろなものを見て、勝負事に関わる幻想みたいなものを、その時だけは間借りさせてもらい、楽しませてもらう側になる。

勝ち負けのつくものは、勝ち負けが全ての結果になるとはいえ、それだけではない魅力がある。私は、実際の勝ち負けはどうであれ、本気で勝ちたいところに「勝ち負け以外の価値」みたいなものが降りてくるんだと思っている。

そして「勝ち負け以外の価値」は受け取る方が勝ち負けを追い求めたその先に認識するものだと思っている。

こんなことを考えるから、私は負けず嫌いなのだろう。ただ、もうそれは、羨ましくも眩しく、決して自分のことではないけれど。


2020.06.17.