忘れないでいること
この土日、食料品の買い出し以外は家にいた。だが、風光明媚な場所には人が集まっているニュースを耳にし、今、自分のやっていることは意味がないのかもしれないな…と頭に過る。
だが、だからといって諦めている場合ではない。私には子供達もいるし、何よりも、また会いたい人たちがいる。
数少ない理解してくれる友人たちと、やはり、バスケットボールに、好きな選手を観に、行くためには耐えなければならない時間だろう。
戻ってきて欲しい、返して欲しい、どうしてももう一度会いたい、
または、助かってほしい、無事でいてほしい、大事にしたい。
そういうものがない、そういう人がいない人は、あまり気にせずきっと出かけるのだろうな、と思う。
私は好きな選手に会いたい。会うといっても試合を観るだけだ。それだけ、せいぜい月に2時間くらいのわずかな時間。
後悔のないように毎試合観ている。
でもやはり、もう一度。もう一度だけ。
毎回そう思うのだ。もう一度プレーが観たい。歓喜したい。だから、今はそれを忘れないでいる。
憧れは恋愛ではない。
眩しい星を見上げるのに似ている。
他人から見れば、面白くもないし、いい歳をしておかしいことなのかもしれない。ただ、バスケットボールが好きで、その好きなバスケットボールで最も好きなプレーをする人が、この日本にいた、ただそれだけのことだ。
ほんのつまらない、些細なことだ。
でも、それはいつだって忘れたくないのだ。どんなプレーが好きかは繰り返し言えばキリがなくて。振り返れば何年分も振り返ってしまう。
きっと私はいつか歳を取っていつか呆けて、色々なことを思い出せなくなるけれど、それでも忘れたくないことのひとつに入るほどに。
だから今も、忘れないでいようと思う。
きちんと覚えていようと思う。
ずっと気にしていようと思う。
嗤われるようなことなのかもしれないが。
その存在を、大好きなことを。
素晴らしい憧れの方がいること。
きっと、元気で、また会えること。
2020.04.19.