日常
今、私たちにされている蓋はいつか開けなくてはならない。新しい時代が来るとは誰もが言うけれども、それは蓋を開けずに実現できるものではないことは、閉じられた蓋の中の暗さを実感すればするほど、そうすぐに新時代が到来するには準備が不足している。
ただ、その蓋を一気に開けたり突然全部閉めたりを繰り返すには、犠牲が増えすぎるのも予測できているし、それはたぶん当たる。
蓋の外に出る勇気を持たなければいけないのと同時に、その蓋は少し開けては様子見をし、また開けては戻るという、不確定な中でも慎重さを必要とする作業に違いない。
何が危急で何が不急なのかを判断すること、平常心を保ちながら責め合わず力を合わせること、体調を崩し無理をしてまでする仕事はないこと、寛容に譲り合い感謝する気持ちを取り戻すこと、1人で生きられているのではなく多くの人の努力で日常が存在すること、忘れてはいけないんだろうし、それを達成できる叡智が備わっていることを信じたい。
平凡で愛おしい普通の生活を再構築し、再獲得するために。
2020.05.17.