雨、しとしと…と。

日曜の午前は雨だ。
持ち帰った書類を机の上に並べて
無機質な数字を拾い
目の前の文明の利器に打ち込んでいく。

「これは何だ…?」

途切れたメッセージ。
数日前のおぼろげな記憶を辿りながら、
推理が始まる。

時間を無駄には出来ない。
書類はこれ一つではないからだ。

さらには
問題を解決したあとも
緑を切り刻んだり、
煮えたぎる熱湯で
処理をしなければならないものが
氷室で私を待っている。

急げ。

「お前は何だ?」

時刻。場所。そして印字された数値から、
答えを導きだそうと頭をひねる。

限界だ…
何も… 何も思い出せない!!

伴侶が部屋に入ってきた。
私は思わず目の前の難題を突きつける。

「ねぇ これなんだったっけ」
「キッチンばさみ 買ったろ」
「あー」

ああ。
ああああ。

「ありがとう、家計簿つけてたの」

洗浄が私を呼んでいる。
洗い物を始末したら少し羽根を伸ばそう。
しとしと降る雨音に焦がした豆の香り。
さあ、午後は、仕入れだ。



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