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BROCKHAMPTONはいいぞ!vol.18 インタビュー取材顛末記と裏話

みなさんこんにちは、BROCKHAMPTONヤクザのナカジです。
新木場単独とサマソニ大阪/東京、お疲れ様でした。
新作「GINGER」はもう聴かれましたでしょうか。
ここで私に言われるまでもないかと思いますが、2019年下半期の重要アルバムですのでぜひ!ぜひ聴いてください!

さて「GINGER」の話は後日に譲りましてですね、今日は表題の話を書きたいと思います。
そうなんです、わたくしナカジ、なんとこの度、BROCKHAMPTONにインタビューをさせていただきました!!!!!!!!!!!
インタビュー記事はRolling Stone Japanさんの下記ページにて掲載されておりますので、ぜひお読みください。
彼らが日本のメディアに対して語ってくれた生の声を可能な限りお届けしております!

しかし、なんということでしょう……。
音楽ライターとしてというより、ただのいちファンとしてこの暑苦しいnoteを書き続けていた私にこんな大役が回ってきてしまい、本当にどうしようという気持ちでいっぱいだったのですが、なんとか無事に取材を終えることができました。
せっかくなので、ここでインタビュー取材の顛末や裏話をまとめてみたいと思います。記事ネタにすることをご快諾いただいたRSJ様に感謝!

●8月15日、依頼は突然に
BROCKHAMPTON新木場スタジオコースト公演当日。
地元駅から新木場に向かう電車を待つ間、駅のホームでスマホを見たら、フリー編集者でRSJのお仕事もやってらっしゃる小熊俊哉さんからメッセージが。
「日曜日、BROCKHAMPTONに急遽取材できるかもしれないんですが、インタビューお願いできますか」

ふんふん、インタビューね……えっ、えっ、えっ!?
WHAAAAAAAAAAAAT!?

私も新譜リリース直前のタイミングで来日するからには多少プロモーションの時間あるのかな、ソニーさんに聞いてみようかなとは思ってたんですが、何しろ私は個人のファンブログですし、PV数もたかが知れている。
メディアとして相手にされるはずないなと思って、今回はファンとして新木場とサマソニ東京を思い切り楽しもう!と思ってたんですよ。
そこにこのお誘いが来て正直動揺しまくったんですが、「でも折角のチャンスだ、全力で乗っかんなきゃ!」と思ってすぐやりたいというお返事をしました。

ちなみにですが小熊さんは私が結婚・渡米が決まってクロスビートを辞めることになった時に私の後任として編集部に入った方です。
「私でいいんですか大丈夫ですか」と聞いたところ「病的なくらいだなと思ってたので期待してます」とのことで、ウン、まあ、はい、確かに病的なくらい好きです……。

かくして「マジでBROCKHAMPTONにインタビューするかも知れない」という可能性を抱えたまま新木場に着き、一旦はそのことを忘れて最前ど真ん中でライヴを思い切り楽しみました。
質問は明日考えよう!ってことで(スカーレット・オハラ)

●家事育児しながらひたすらに準備の16日、17日
さて明けて翌日からサマソニがスタートしましたが、私は普段やってるテーマパークメディアの方が夏休みだったので家におりました(3日通し券を買い損ねたとも言う)。
ちょうどこの週、息子が40度以上の熱を出す夏風邪をひきまだ具合も悪かったので、家で面倒を見つつサマソニの配信もチラ見しつつ、インタビューの質問の方向性を考えて小熊さんと打ち合わせ。
内容にGOサインをもらい、他メディアで最近答えてる取材も参考にしつつ、細かく質問を考えていきました。

この時点で取材に来る可能性があるパターンとしては

1.メンバー13人全員
2.こちらがリクエストしたパフォーマンスメンバー6人+Romil
3.13人のうち取材に乗り気なメンバー数名がランダムで来る

で、正直誰が出てくるかは当日その時間になってみないとわからないというソシャゲのガチャ状態
「バンドメンバー4人のうち2人が来ます〜」くらいだったらもっと簡単に対応できるんですけど、何しろ分母が13なのでね。おいマジかって感じです。
なのでどのパターンが来てもいいように、30問くらい質問を考えてインタビューのイメージを練りました。
メディアとしての仕事なので、ファンとしてのミーハー心は抑え「今このタイミングで日本にいるメンバーに本当に聞くべきこととは?」というのを繰り返し考え、初対面で聞くのに失礼でないか、散々聞かれまくって飽きている質問でないかも確認して、18日の明け方にようやく眠りにつきました。

●いざ当日!
そしていよいよインタビュー当日です。
取材場所はマウンテンステージ近くに設置されているプレスエリア。
一般でチケットを買ってましたが、取材のためにこのプレス用リストバンドにチェンジです。

取材開始時刻の30分前にプレスエリアに入り、小熊さんやレコード会社の方、通訳さん、カメラマンさんとご挨拶して軽く打ち合わせ。
レコ社担当さん「もう会場入りして今こっちに来る準備してるんで間もなく来ると思います」
く、来る〜〜〜〜マジで〜〜〜〜〜!!!もう逃げも隠れもできねえ!(逃げんな)
クロスビート編集部にいてバリバリ取材こなしてた頃はフェス現場で1日3組インタビューとか平気で回してたし全然緊張もしなかったんですが、アーティストとの対面インタビューは実に2年ぶり。
しかも最近までアイドル的にキャーキャー言ってた相手といきなりエンカウントってことで久しぶりにめちゃくちゃ緊張しました。

私「メンバーって本当に全員来るんですか」
担「来るそうです。なんか、バラバラになるのが嫌らしいんですよ。全員で一緒にいたいから13人でやるって言ってます」
な〜〜〜〜に〜〜〜〜〜その理由〜〜〜〜かわいい〜〜〜〜〜無理無理無理かわいい無理
もうわかったよ13人全員一緒においでよ私がなんとかするよすればいいんだろ(ヤケクソ)。
実際ですね、ステージに上がる6人以外のメンバーの顔も名前もグループ内での役割や出身地、加入の経緯まで覚えてるという点では自信があったので、この状況下の取材をお任せいただけたのは本当に良かったなと思います。
「こいつ誰だっけ」と思いながらインタビューするとか、普通に人として失礼だし、自分の好きなアーティストをメンバーの名前もロクに覚えてないジャーナリストが取材してたらやっぱり嫌なんで。

●遂にインタビュー開始ッ……!
そして遂に遂に、メンバーが私たちが準備していたインタビュースペースにやってきました。
当日私は「iridescence」リリース時に公式サイトで期間限定発売されたパフォーマンスメンバー6人の顔写真入りのTシャツを着て行ったんですが、真っ先にMattが「いいTシャツだね!」と声をかけてくれました。
そしてみんな順に着席していくわけなんですが、なんていうか圧がすげえ。
ちなみにインタビューの時の座席ですが、バーテーブルみたいな背の高いテーブルにスツールでこんな配置で座ってました。

何この圧迫面接。近いわ。
私のすぐ隣にKevinだったんですけどちょっとでも足動かそうもんなら互いの膝がぶつかりそうでですね、マジで膝を突き合わせてのトークですよ。
よくこの状況下で正気を保っていられたなと思います。
ちなみに予定では13人と言われてたんですが、着席して取材に参加したのは12人でした。
取材には不参加でしたが現場には衣装/アパレル担当メンバーのNickと、映像チームメンバーのKevin Doanもいました。そういえばDoanくんにも「Love your shirt!」って言われたんだった。なんかオーラがキラキラしててすっごく素敵な人でした……。

取材時間は全部で25分、うち5分は撮影に充てることになってたのでインタビューに使える時間は20分。
12人もいると「はい皆さんが静かになるまで5分かかりましたー」って朝礼の教頭先生状態になるかなと思ったんですが、そこはみんなプロフェッショナルで、こちらの質問にじっくり耳を傾け、「誰が答える?」と目配せしあい、意見のあるメンバーが答えていくという形でスムーズに進行しました。
でも20分は短かったですね……。
もっと繊細なテーマの質問も聞きたかったけど、何しろ私たちは初対面で会ってから数分しか経ってなくて、そういう話をする信頼関係にはまだ至ってないので、それはいつか聞けたらと、次の機会があることを願っています。

●もしかしてそれは誤解
RSJさんのインタビュー本文でDomが「非英語圏の国でも小さい子供まで歌詞を覚えて歌ってる」って言及してる箇所があります。
これ、たぶんなんですけど新木場で最前にいた私の友人の一人を思い出しながら言ったっぽいんですね。
ツレの中に身長150cm台前半の友達がいたので。
でもね、ごめんDom、そいつ私よりも年上でもっと言うと君より10歳年上なんだわ。
新木場の時、その友達にメンバーからのファンサがやたら集中するなとは思ってたんですけど、キッズが来てくれたと思って重点的に構ってくれてた可能性がDomの発言からわかって心の中でめっちゃ笑いました。
でもこれは彼らには黙っておこうと思います。
ていうかリトルキッズにはより積極的ファンサをくれるBROCKHAMTON優しいじゃん……好き……ますます推せる……。

ところでサマソニのプレスエリア内にはアーティストが自由に遊べるプチゲーセンが設置されてるんですけど、インタビュー中にDomがその存在に気付いた途端にソワソワし始めて(笑)。
彼はコジプロのゲームが大好きだし相当なゲーマーっぽいんですが、「終わったら!終わったら遊んでな!あとちょっと我慢してなごめんな!」と私は心の中で祈ったのでした。

●撮影タイムとサインゲット
20分弱のインタビューを切り上げて、次はプレスエリア外の通路で撮影タイムでした。
カメラマンさんがカメラを向けると、特にこちらが何か言わなくても自分たちでわちゃわちゃとじゃれあい始め、「イェー!」とか「フー!」とか言いながらポーズを取ってくれます(RSJに掲載されてる写真でもそれがよく伝わるかと!)。
ほんのちょっと移動するために歩いてる時でも、KevinとBearfaceが肩組んでたりして、もう本当にみんな仲が良いんだなって感じ。
Bearfaceってステージ上やビデオでは動きが少ない寡黙キャラで、インタビューでも自分から積極的に話してくれるタイプでもないし、こんなに賑やかな集団の中にいて疲れたりしないのかなって思ってたんですけど、ああいう仲間たちに本当に自然に囲まれてて、これはこれでうまくいってるんだろうなと納得しました。

終盤はマネージメントスタッフから終了時刻だとせっつかれてたんですけど、ここで「ごめんあと1分だけ!」と私から泣きを入れ、メンバーにプレゼントを渡しました。
私の友人で漫画家で新木場公演を一緒に最前で観たわこさんによるメンバーのイラストです。


新木場公演が終わった時、「せっかく最前だったんだしメンバーにウェルカムな気持ちを伝えるもの用意すればよかったね……」と友人たちと話したのですが、そこからわこさんが描き上げてくださったものです。
私が当日明け方まで取材の準備をしてる間、彼女も寝ずに一生懸命描いて仕上げていました。
取材が実現するかわからないけど、最悪これだけでもレコード会社の方に頼んで渡してもらえればと思って、ダメもとで2枚プリントして現場に持って行きました。

「これ、私の友達のマンガアーティストが描いたので受け取ってください」と言って見せると真っ先にDomが「Whaaaaat!? This is amazing!」と大喜び。もちろん他のメンバーもすごく喜んでくれました。
で、「1枚はプレゼントなんだけど実はもう1枚あって、こっちに彼女のためにサインもらってもいいですか?」とお願いすると「もちろんもちろん!」とみんなが快くサインをしてくれて、12人のサインが集まる超貴重なこの絵が完成したというわけなんです……!

わこさんはweb連載や単行本のお仕事も複数持ってらっしゃるプロで、そんな人に無償で描いて描いて〜なんて軽々しく言ってはいけないのですが、今回は本当にメンバーが喜んでくれたし、彼女にもサイン入りの絵というプライスレスなものをお戻しできたので、みんなハッピーってことで一つ許してね。
あとわこさん、Domにツイッターでフォローされましたw
BHメンバー公認絵師様ですよ。やったぜ!!!!

●取材終了、ライヴを観る
というわけで取材は終了し、メンバーは楽屋へと帰っていきました。
まずはトラブルなく無事に終わったことを祝い、カメラマンさんと小熊さんと3人でビールで乾杯。
現場を撤収し、マウンテンで最前待機してた友人たちに合流してライヴを見ました。

新木場とサマソニ東京を比較しながらのライヴ感想はまた別の機会にまとめたいと思うんですが、本当サマソニ東京は大舞台での堂々したパフォーマンスがカッコよかったですね。
ステージ上のカメラマンやクレーンカメラに向かってちょっかい出しながらパフォーマンスする様子とか、すっごい「スター」でした。
途中Domと目が合った気がしたので手でハートマーク作ったら返してくれてDom推しのワイ無事死亡。
さらにその後Jobaに見つかり、めっちゃ笑顔で「さっきはどうも〜」みたいな感じで手を振られました。なんだこれ。現実か?
いやもうただのファンだったはずなんですけどね、メンバーに存在を認知されてしまって、引き返せねえところまで来ちまった感あります。
でもせっかくなのでこれからもヤクザとして行けるところまで行ってみようかなと思うので、よろしければ引き続きお付き合いください。

●余談〜高熱HELL
BROCKHAMPTONの出番が終わった後、友人たちとちょっと休憩して、ビーチステージに行きました。
名古屋・大須のかき氷屋さん「川久」が出店してたんですけど、ここのかき氷を推しのDomが食べたことをインスタのストーリーで知ったからです。
正直インタビューとライヴを終えて抜け殻だったんですけど「推しが食べたかき氷を食べたい」という意地汚い欲望を満たすためだけにビーチまでがんばって行きました。
「推しの存在は生命力に直結する」。これはテストに出ます。
そしてこれがDomちゃんの食べていたかき氷ダーッ!!!

シロップもオリジナルでですね、写真はいちご味なんですけどすごくさっぱりしてて美味しかったです。
氷もシャリシャリ感が一切なくてフワッフワで優しく溶ける……これDomちゃんも食べたのかあ〜うめえ〜ふふふ(ちなみに友人も一緒でした)。
この後またマウンテンに戻ってディスクロージャーを観たんですけど、途中から堪え難い頭痛に襲われたので途中でギブアップして帰宅しました。

で、翌日は全身が痛くて、まあ木曜も日曜も最前で後ろからの押しに耐えたし筋肉痛だろうと思ってたんですけど、月曜の夜から熱を出しまして。
取材オファーされてから毎日あんまり寝てない&食べてない&緊張しっぱなしだったため、それから解放されて一気に扁桃腺が腫れ2日連続40度を超す高熱に苦しめられました。身体は正直だぜ(ビクンビクン
日曜にインタビューした私が記事仕上げるより先に、帰国後に新曲のMV撮ったBROCKHAMPTONが編集して公開した方が早かったというまさかのスピード感に笑ってしまいましたが(笑っている場合ではない)、まあなんとかRSJさんの原稿も仕上げることができたので、こうしてオマケ話をまとめました。
チラシの裏の余談としてお楽しみいただければ幸いです。

ただいま中嶋友理の記事は無料公開しています。楽しんでいただけましたらご支援をいただけると嬉しいです。ご支援をいただくと、私が回転寿司で躊躇なくイクラが食えます。