「年収1000万円以上」のお見合いパーティで出くわした超絶失礼なドクター

「あなた、仕事は何してるの?
へー、高齢者福祉ね。年寄りはみんなボケてるから大変でしょ?」

何という人権を無視した発言。
このジジイ、人としてどうよ? と、心にふつふつする怒りを抑えるのに、私は必死だった。
ことばの主は、推定体重100kg超、白髪混じりのボサボサ頭にシワシワの白のボタンダウンにクリーム色のスウェットパンツをずり下げ気味に履いて登場した、65歳のSさんだ。
あなたも立派に高齢者じゃん。
大変失礼ながら、洗濯が行き届いていないのか、少々ニオう気すらする。
おまけに、甲高い声が神経に障る。私が苦手な周波数ドンピシャだ。

これは、就職相談の窓口での話ではない。
昨日の銀座での「年収1000万円+身長170cm以上、または年収700万円以上+身長173cm」が男性参加条件の、お見合いパーティでのことである。

いやはや、マッチングアプリとお見合いパーティ、合計すると30人以上には会っていると思うけど、ここまで失礼な人は空前絶後であってほしい。

手元にあるSさんのプロフィールを見て、ソファからずり落ちそうになった。
美容皮膚科を経営、年収2000万円以上、とあるではないか。
50歳のさくらまりか、色が白いためか長年キャリーオーバーし続けたシミ、そばかすが気になるお年ごろではあるが、このジジイに触れられるくらいなら、死ぬまでこのお肌でいる方がまだマシだ。
生理的に受け付けないとは、このことを言う。
五感すべてが拒絶反応を示す中、まりかはこれから5分間、どうすごしたらよいのか。

と、心配する必要は、まったくなかった。
なぜなら、Sさんはひとりでしゃべりまくっていたからである。
脳天をつんざくような声、初対面の女性と会うにはふさわしいとは思えない清潔感のない服装で、だらりと腹を突き出して座る姿は、大変申し訳ないけれども醜かった。
その場にいることが細胞ひとつひとつ、ムダ毛1本1本まで苦痛だったから、話していた内容もろくに覚えていない。
ああ、もったいない。
覚えていたら、きっとおもしろい記事になったのに。

「僕ね、趣味はクレー射撃。
あれはね、それなりに収入あるクラスの人しかやらないのよ。
だって、ほら、お金かかるから、ふつうの人には無理だよね」

射撃だか射的だか知らないが、人権を踏みにじるようなことを平気で言って、ご自分が撃たれないようにしなさいよ、ドクター。
失礼発言は、まだ続いた。

「僕ね、ダイビングもやるのよ。
あっちは別に、お金なくてもできるからね、あなたも大丈夫よ。
あはは」

そう彼が言い終わるか終わらないうちに、おしゃべりタイム終了30秒前のタイマーの音がした。
よかった、これでこいつから離れられる!
このブース内の空気を清められる、アルコールスプレーか盛り塩がほしかった。

職に貴賎はない。
同時に、人の命を預かる医師という仕事に就く人にも、職業倫理以前に、人としてどうかと思う人はきっとたくさんいるのだろう。
すべての医師が聖職である必要はないけれども、せめて人間として尊重できる存在であってほしかった。

おしゃべりタイムが終わって、スマホでマッチング希望を出す段階になって、

「おーいちょっと、これどうすればいいの?
ぜんぜんわからないよ。ひどいんじゃない?」

という、彼のものと思われる不快な声が聞こえてきた。
いや、どうすればいいかわからなくてひどいのは、あなたの存在そのものだから。

彼はいったいどんな人にマッチング希望を送ったのだろうか。
そして、その思いは通じたのだろうか。
もし、彼を選んだ人がいたなら、その理由を聞いてみたい。
千万が一にも、私が彼のすばらしい人間性に気づけないおバカさんだった可能性が、あるかもしれないから。

今日は少々、ことばがすぎたようだ。
このnoteをはじめるとき、お相手を尊重する、傷つけることは言わない、と決めたけれども、このジジイは決壊水域に達してしまった。
さくらまりか、一生の不覚である。


*2023年4月9日
・もらった足あと:2人
・もらったいいね:2人
・やりとりした人:1人
商社のリョウさんとは夕べのやりとりで、少しだけ気持ちが近づけた気がする。
何度か彼からデートしようと言われていたけどタイミングが合わなかったので、今日は思い切って私から「そろそろお目にかかってお話したいです」と言ってみた。
彼はまたもや出張中。
誘ってくれるかな。
つながらなかったときのために、プロフィール文に少し手をいれ、狩人となって足あとをつけまくっているが、収穫はない。

サポートしてくださった軍資金は、マッチングアプリ仲間の取材費、恋活のための遠征費、および恋活の武装費に使わせていただきます。 50歳、バツ2のまりかの恋、応援どうぞよろしくお願いいたします。