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Photo by
nishiyan2460
空飛ぶストレート
風の強い日だった。それでも外に出たのは近くの商店街でアプリゲームの激レアキャラが出現したからである。
「え?」
飛んできた看板が頭にガツンと当たった。
目を覚ますとペンキで汚れた看板が側に落ちていた。大きなタンコブが出来ていたが手についたのは血ではなく赤いペンキだった。
看板の文字は「ストレート ご相談下さい!」という部分だけ読めた。
「野球の球種、ボクシングの可能性もーーあっ!」
携帯電話を見ると、レアキャラは何処かへ行ってしまった後だった。がっくりと肩を落としていると、女性が慌てた様子で走ってくる。
「ウチの看板に当たりました? 血が出てる!」
「ああ、まあ。これペンキです」
「何かあったら大変です。救急車を呼びましょう」
「あの、病院は自分で行きますから! それよりこれ何て書いてあるんですか?」
「え? スマホ首・ストレートネック、ご相談下さい! ですが、ご入用ですか?」
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