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5次会擬似クラス招集【毎週ショートショートnote裏お題参加作品】

 5次会ともあれば、こいつ誰だよっていう輩が紛れ込んでいる。でも今夜はしたたかに酔っていて気付かなかった。こいつ誰だよは、自分だと言う事に。
「どこのクラスだっけ?」
 とろんとした目の男が俺を指差す。
「えーと、三組」
「三組っていうとよっちんと同じクラスか」
 もちろんよっちんを俺は知らない。
「あいつ、まーと結婚したんだぜ?」
「へ、へえ」
 今でもあだ名で呼び合う程仲が良いなんて羨ましいと思っていたら、店の外から呼び声がした。
「やべっ。間違えてた」
「えっ」
 男は慌てて立ち上がり、よれよれと本当の仲間の元へ去って行った。ぽかんと男の去った方を見ていたら、向かいの席の女が俺の顔をじっと見つめていた。
「もしかして、佐藤君?」
 顔を真っ赤にした女が別人の名を呼んだ。
「……佐藤です」
「やっぱりー! 懐かしいね」
 ゆかりと名乗った女は、5次会の雰囲気に馴染めていないらしい。
「乾杯!」
 ゆかりはよく分からない色のカクテルを飲んだ。
「佐藤君ね、好きだった人なの」
 そう言って、また変な色のカクテルを傾ける。
「飲んでみる?」
 魔女の様な微笑みを浮かべた。


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