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宝くじ魔法学校【毎週ショートショートnote参加作品】

 宝くじに当たったら、そのお金で学校を作らないかと怪しげな団体に声をかけられた。ファンタジー映画に出てくる黒の三角帽子とマント姿の連中に追い回され町中を逃げ回った。
「君の力を貸して欲しい」
「……クソ、何で……平気、なんだ」
 息も絶え絶えの俺にマント集団は平然と見下ろしていた。
「力って金だろ?」
 一番偉そうな白い髭の男がニコリと笑った。
「こうしては如何かな? 見たところ、就職活動中のようだ。職員として働いてみては?」
「教員免許なんて持ってねえよ」
「そんなもの無くともやる事は沢山ある」
 その言葉を聞いて気持ちが揺らぐ。
「君にも魔法使いの才能が無くはない」
「魔法って……」
「君も気付いてるだろう? 君以外の人間には私達は見えていない事を」
 白髭の男が杖を振ると空から羽の生えた馬が降りて来た。
「これは、ペガサス!」
「日本に数頭しかいない。だが、魔法学校があれば飼育の認可が下りるんだ。力を貸してくれるなら学校名を君の名にしよう」
 実はファンタジーには目が無かった。
「宝くじを使ってくれ!」
 俺は魔法学校に事務スタッフとして働く事になった。
「……いや、それ俺の名前じゃねー!」
 宝くじ魔法学校という名の付いた、日本唯一の魔法学校として名を馳せるのは、もう少し先の話。


……続かない。
540文字。だいぶ、オーバーしてしまいました🙇‍♀️


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