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クリスマス直前に彼氏と別れて心がささくれ立っていた咲良に、真っ赤なメッセージカードが届…
空のお弁当箱から折り鶴をつまみ上げる。メモ用紙で作られた折り鶴の羽にごめんの文字が見え…
天使育成ゲームアプリは大勢の人々にダウンロードされた。天使には九つの階級があり、初期設…
「次はここ!」 お化け屋敷の前で茉莉花が言った。 「カップルは必ず別れるってジンクス、知…
「ガーデンテラスまでお進み下さい。皆様に参加して頂きたいのは、『2次会デミグラスソース』…
宝くじに当たったら、そのお金で学校を作らないかと怪しげな団体に声をかけられた。ファンタ…
舞台に立つ咲良の顔に閃光が走った。スクリーンに映し出された雨雲から雨が降り始める。 「犯人は……あなたよ!」 空気を切り裂くように指を差した瞬間、雷と雨音がさらに激しくなる。その指は客席に座る啓太に向いていた。 「観念して告白するのです!」 ぴたりと動きを止めた咲良に拍手をした。 「さすが期待の新人女優だな」 咲良は高校の演劇部に所属していた。 「……おかしいなあ」 深いため息をつき舞台を降りた。 「何が?」 「この舞台装置を使えば告白させられるって聞いたのに」 「
「ママ、眠い」 「肩にもたれていいわよ」 「苦しくない?」 「大丈夫よ」 妊娠中のつわりが…
神社のアイドル猫、太郎に似せて招き猫が作られた。誰が言ったかその名はチャリンチャリン太…
ツートンカラーの鳥の人形が並々と注がれたビールを啄んだ。鳥の人形が飲んだビールは、小さ…
男性客がお酒の棚にある読み取り機に会員証をかざした。ここ、無人コンビニでお酒を買うには…
他人の生活音や馴染みのない音楽が、隣の部屋から聞こえてくるのが不快でヘッドホンを付けた…
彼と運命の出会いをしたのは忘れもしないハロウィンの夜。私は結婚式間近になって恋人に別れ…
友人から分けて貰った青と白のツートンカラーのカニを利尻昆布と一緒に茹でる。カニがうふうふと鍋の中で不敵に笑っているように見えた。 「赤くならないな?」 茹で時間を聞くのを忘れていた事を後悔している間に、どんどんアクが増えていく。 「わ、やば」 慌ててカニを皿にあげる。茹で上がったカニは、茹でる前と何ら変わらずの姿で利尻昆布で遊んでいた。 アクを丁寧に掬い取ると、鍋に青く透き通ったカニの出し汁が残った。その出し汁が遠い記憶の海に見えた。懐かしい潮の匂い。 ーー呼ばれてい