飛蝗って「飛蝗」って書くんだね

バッタは古くから人間の敵だ。旧約聖書の出エジプト記に記されている十の災いにも蝗を放つということが書いてある。ちなみに他にも、カエル、ブヨ、アブなんかも放つと書いてある。どちらにせよ嫌だ。

「蝗害(こうがい)」とはバッタによって引き起こされる食害の事だ。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200503-00072070-gendaibiz-int

サバクトビバッタは、通常は「おとなしい」存在だ。サバクトビバッタは砂漠地帯に、トノサマバッタは草が密集してない草原地帯で、一匹一匹が単独行動で生活している。移動距離も短い。  
成虫は卵を生み、孵化してから翅のない「ホッパー(Hopper)」と呼ばれる姿になり脱皮を複数回繰り返す。やがて「成虫(Adult)」になると翅が生えて飛べるようになる。そして交尾し卵を産み、死んでいく。こうして平和裏に一生を終える。この状態のことを生物学では「孤独相」と呼ぶ。  
だが、25mm以上の雨が約2ヶ月降り続くと繁殖しやすい状態になり群れが自然と生まれる。そしてその群れの中から、通常の緑がかった色はなく、茶色っぽい色の個体が登場してくる。この個体は「群生相」と呼ばれる厄介なやつだ。  
孤独相の個体は、互いに離れようとするのに対し、群生相の個体は、互いに近づき群れを好む。体も、翅が長く、足が短く、長距離移動が得意になり、雑食性が増し食欲も旺盛になる。  
そして、約5日おきに50~100の卵を産み、それらが一斉に群生相の状態で孵化し、また成長して50~100個の卵を産む。こうして一気に巨大な群れになっていく。(上記記事引用)

詳しくは記事を読んで欲しいが、ここ70年で最も深刻な蝗害が今まさにアフリカから西アジアにかけて発生している。一時は中国までこの群れが進むと考えられていたが、ヒマラヤ山脈に阻まれ、世代交代をしながら来た道を戻っていると言われている。つまり、一度通り過ぎた場所をもう一度荒らして戻っている訳だ。今後アフリカの食料問題は大きく加速するだろう。

こういった事態に対応するための国連組織である国連食糧農業機関(FAO)もあるが、昨今のウイルスの影響でそもそも対策チームがアフリカに入国出来ないらしい。農薬についても物流が滞っており上手く現地まで届いていないのが現状だそうだ。

それよりも何よりも、この蝗害、メディアで見かけることが極端に少ないのだ。ニュースを検索しても連日のウイルス報道に比べて圧倒的に少ない。コロナウイルスによる死者が現時点で32万人ほど、今回の蝗害で飢餓に陥る人が数千万人規模。さほど重要度は変わらない気がする。否、たまたまこのニュースが自分の目に止まっただけであり、自分が認識していない世界のニュースなど山ほどあるのだ。先ずは関心を向けるとこから始めなければ。

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