Cue HealthがIPO準備中で、他のCOVIDテスト関連スタートアップもスケール中

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COVID-19が世界的に広まって以降、多くのスタートアップがより正確で、簡単で、かつ低価格のウィルス検知テストの開発を行ってきました。そのうちスケールが大きくなったスタートアップもあり、上場を検討しています。
先週、2つのスタートアップが上場計画を発表しており、一つはサンディエゴベースの家庭での分子検査を開発・販売するCue Health社が従来のIPOを、香港ベースのPrenetics社がSPACでの上場を検討しています。
COVID-19テスト市場は、複数の主要プレイヤーがしのぎを削るに十分な大きさであり、Cue社はCOVID-19のポイントオブケア診断市場は2021年に120億ドル近くになるだろうと予想しています。
Crunchbaseのデータを集計した結果、スタートアップおよび直近上場した企業は13億ドル以上をプライベート市場で資金調達しており、ここ数カ月で上場した企業もいくつかあります。

On Cue

Cue社は今週Nasdaqへ上場する予定であり、この分野で最大規模の企業の1社です。24億ドルのバリュエーションで2億ドルの資金調達をする予定だということです。

主要商品は、リーダーとテストキットを使うことで、COVID-19のテストをどこからでも受けられ、20分以内にユーザーのモバイル器に結果が送られるものです。他にも治験後期段階の、インフルエンザ、RSV、不妊症、妊娠、炎症の5つのテストキットがあります。

現時点でのCue社の最大顧客は米国国防総省であり、4.8億ドルの契約を結んでいます。Cue社によると8月終わり時点では、1日平均43,000のテストキットを製造しているということです。

直近の急激な需要増によりCue社は黒字化しました。
昨年度の年間売上は1500万ドルでしたが、今年度上半期の売上高は2.2億ドルに上っています。また純利益は2020年度4700万ドルの赤字から、2021年度上半期は3300万ドルにまで上昇しています。

All about Prenetics

Prenetics社はCOVID-19のゲノム診断テストを提供していますが、今月初めにArtisan Acquisition CorpというSPACと合併でNasdaqへの上場に合意したと発表しました。
この取引により、Prenetics社の株式価値は17億ドルに設定されました。
詳細な財務情報はまだ開示されていませんが、最新の投資家プレゼンテーションによると、これまでに500万以上のテストを実施したとされています。
これらは、200万回以上の香港政府へのテストや、複数の主要空港でのテスト、イギリスのプレミアリーグでのテストも含まれています。

COVIDテスト以外にも、Prenetics社は予防にフォーカスしたゲノムテスト、感染症診断テスト、大腸がんスクリーニングテストなどを提供しています。
売上は昨対比215%で、2020年6500万ドルから2021年は2.05億ドルになると予想しています。

Choppy markets

ただし、これまでのところ、COVIDテストを提供している上場企業の業績は特によくありません。

カリフォルニアベースの感染症診断テストキットの製造を行うLucira Healthは、2月に上場しましたが、現時点での時価総額は初値の半額以下になっています。自宅でのテストが可能で、30分以内に結果を受け取ることができます。

Biodesixはコロラドベースの肺疾患テストで知られおり、COVID-19感染症と抗体検査技術も提供していますが、ここまで芳しくありません。昨年10月にNasdaqに上場し、株価は半額程度になりました。

Test spending set to rise, broader use likely over time

しかしながら、テストプロバイダーには明るい兆しがあり、特にバイデン政権が支出とインフラの強化に取り組んでいることが挙げられます。

今月明らかにされたバイデン政権のCOVID19施策によると、20億ドルを投資し、2.8億回分のポイントオブケア用迅速テストと家庭用COVIDテスト検査を複数のメーカーから調達する予定です。多くの薬局がテストを無料で実施し、主要な小売業者は今後3ヵ月間は家庭用テストを原価で販売することが求められます。

これまでアメリカは他の先進国に比べCOVIDテストのインフラ整備が遅れています。
特にヨーロッパ諸国では多くの国民がテストを受けれるよう、テストが無料か十分に安い価格で提供されています。

もちろん、COVIDテスト市場は、需要の急激な落ち込みがパンデミックからの脱却を意味し、これはよいことだと思われる市場の一つです。
一方、COVIDテストを提供する会社は、パンデミックを中長期的な売上の柱とは考えておらず、ほかの検査を提供・開発しています。

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