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続続・がん検診から子宮全摘までのアレコレ

入院当日は一人でタクシーで行った。

病院がまだコロナ対応を続けていて、見送りの人は正面玄関の前までしか入れないといわれたからだ。であればわざわざ仕事を休んで送ってもらうよりも自分でパッと行ってしまったほうが早い。

10時半までに病院へ行き、手続きを済ませて病室へ入ると後はすることがない。病室担当看護師さん、栄養士さん、手術担当の看護師さん、麻酔科医に主治医と入れ代わり立ち代わり来て、似たような問答を繰り返す。食品アレルギーはありませんとか消毒アルコールにかぶれたこともないです、大病の病歴はないです、etc。こういうのって一元データ管理しておけば手間がずいぶん減るだろうに。。

入院前にどの部屋タイプにするか聞かれた。この病院はすべて個室だが以下3タイプがある。
・一般室(無料)
・特別室A(一日7000円)
・特別室B(一日5000円)

保険に入っているし、ほんの8日間の事なので特別室Bにした。
特別室、といっても病床数割合からいうと一般室:特B:特A=5:4:1くらい。みな考えることは同じで、保険に入っているから病気の時くらいと多少の出費もOKに思う人が多いのだろう。私もその一人だし。

ベッドが病院仕様なことを除けば、かなり広めのビジネスホテルシングルルーム並みで大型テレビにWifi,冷蔵庫ソファと机もあり快適に過ごせそうなことに安心した。

しかし翌日からのスケジュールを渡されて不安になる。手術日までに何の診察もなしなのだ。そう言えば家族への説明、というのもなかった。主治医に聞くと「まあしてもいいですけどね、でも大抵どのご主人もよくわからないような顔してますし、だからいいかなーって思うんですけどね」うーーーん、それでいいのかなーーーーーー・・・・。なんかザーッとし過ぎてないかなーこのセンセイ。。以前実母の白内障手術の時でさえ、家族同席で手術内容とリスクの説明が必須と言われたのに。

入院初日と翌日は何もすることなくテレビ見放題、本読み放題でのんびり過ごし、3日目の手術日を待った。

その日5人いる手術予定者の中で私が一番最後だったため、1:30開始予定が2:30となり看護婦さんと一緒に歩いて手術室へ向かう。全身麻酔で所要時間は1時間半、本人の感覚としては麻酔が効いたと思ったら終わった!くらいのものだという。全くその通りで、麻酔しますねーと言われた瞬間に手が重くなったような気がして、すぐに大声で名前を呼ばれて起こされた、つまり手術は終わっていた。

でもそのあとが辛かった。心電図と点滴、両足に血栓予防のマッサージのようなものがついていて身動きが取れないがベッドが硬くて腰が痛い。睡眠剤をもらったがそれで眠れるはずもなく今何時か判らない中うとうとしては痛みで起きる、の繰り返しだった。

今まで病気とか手術とかの話を聞いた時も、大変ねーと思いはしたがこんなつらい思い(きっとみんなは私以上)をしていたんだと思うとリアリティがずっしりと増してくる。なんかちょっとドラマチックぅと思っていた私をタイムマシーンで取って返し、𠮟りたい。あまり長生きしたくないと思っていたが、死ぬにはこの比ではない辛さを耐えなければならないのだ。根性なしの私には乗り越えられそうもない。

長い長い夜がやっと明けて午前中に自分の個室へ戻ってきた。腹腔鏡手術なのですぐに導尿もなくなり自分でトイレに行けるし、お昼からおかゆだが食事がとれる。下腹部の痛みは耐えられない程ではない。

なんならこのまま家に帰れるんじゃないかと思うくらいだったが、もちろんそんなわけにもいかず、その後5日間なかなか快適な入院生活をすることになった。

続く

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