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New York地下鉄、もう迷わない!

なぜ迷う?

ニューヨークの地図は基本的に「碁盤の目」になっており、比較的地図通りに移動すれば目的地に着くのは簡単だ。ただし、地下鉄に乗って、乗り換えなどした場合、一気に計算が狂う。これは私、というか一般的に女性に多い特徴かもしれないが、もともとの方向感覚の無さと共に、行先別の方面や方角がきちんと頭に入っていないことが原因ではないかと思う。それから、年齢ゆえの?細かい路線図への拒否反応も関係ありそうだ。

そんな理由から、私は時々目的地に向かいながら時間の都合で断念し、(本来乗らなくてもいい)タクシーに乗ってしまうこともある。そんなわけで、今日は「なぜ迷うのか?」、「どうしたらもう迷わず目的地に行けるのか」について考えた結果を書きたいと思う。


システム

ニューヨーク市内の地下鉄、鉄道、バスはMTA(Metropolitan Transportation Authority)「メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティー」というニューヨーク州の独立公益法人により運航されている。地下鉄は年中無休、24時間運行。路線名は数字またはアルファベット表示で、車体の横に路線番号、始点駅、終点駅の名前が表示されている。ちなみに、私はニューヨーク郊外に住んでおり、やはりMTAの運営するメトロノース鉄道という列車で通勤している(グランドセントラル駅まで電車で35~60分程度)。そのため、地下鉄に乗るのは月に1,2回程度、という少なさも言い訳としておこう。

ニューヨークの地下駅数は473駅で地下鉄の駅数としては世界最多。他都市との比較ではパリ383駅、東京(東京メトロ、都営線を足して)290、ロンドン270(以上、WORLD METRO DATABASEより)。ただし、東京のように地下鉄以外にJRや私鉄も同様に発達している都市は他にあまり例がなく、地下鉄とそれ以外の鉄道が直通運転をするケースは他都市ではあまりないようだ。ニューヨークの地下鉄も他の列車とは独立して運行されている。

Uptown とDowntown

ニューヨークの地下鉄に乗る際に路線以外に気を付けなくてはいけないのが、行先の方角。ニューヨークの場合は「Uptown」と「Downtown」という言い方をする。つまりざっくりと現在の位置と比較して、「上(北)に行くか、下(南)に行くか」、という分け方だが、観光客の場合はちょっと分かりづらいかもしれない。「明らかに南」とか「北」と分からない至近距離の時は特に難しく感じる。また、日本同様、それぞれの終着駅が書いてある場合もあるのだが、その駅も頭に入っていないと難しい。

ちなみに、地下鉄の入口は大きい駅を除き、各ホーム間の行き来ができないことが多いので、入口の段階から間違えないよう注意!

地下鉄路線図(一部)

料金一律、薄いけどICカード?

日本と違い、ニューヨーク地下鉄の1回の料金は一律$2.75。そのため、出口に改札はない(これはパリの地下鉄も一緒)。

乗車するには各駅のゲート前にある券売機でMetroカードを購入、チャージする必要がある。Metroカードはかつての東京の地下鉄の「パスネット」やテレホンカードくらいの厚さの磁気ストライプ式のカードで強度は低いのだが、日本の「Suica」や「パスモ」のようにチャージして使うICカードになっている。このカードを改札でスワイプして入場。スワイプにもコツがあり、早過ぎてもゆっくり過ぎてもエラーが出てしまう、観光客泣かせのカードだ。

メトロカード、結構ペラペラ


そんな中、2019年からは[OMNY(One Metro New York)」というというタッチ&ゴー形式の新しい改札システムがスタートした。観光客には向かないが、いわゆる「モバイルSuica 」等と同様の仕組みで、スマホに入れたカード等での決済になる、いちいちチャージする手間が省ける。

夏の駅構内は蒸し風呂、ホーム狭い

ニューヨークの地下鉄ホームは日本と違い、ほとんど冷房が効いていない。それなのに、時間帯や曜日によっては15分くらい待つ時もあるから、サウナ状態になることも。対策としては、アプリ等で時間を調べ、あまりホームで待たずに済むようにするのがコツか。

また、気を付けたいのがホームの狭さ。特に階段付近は人が一人通れる狭さのところが多い。「(アジアン・ヘイト・クライムなどの影響で)地下鉄で突き落とされた」なんてニュースもあるので、できるだけ通りたくないものだ。それから、日本では電車に乗ると「人が少ない車両、端っこの座席、ドア付近」が好まれるが、ニューヨークでは時間帯により、そのような車両は避けた方が良いとされる。犯罪に巻き込まれた場合、人の目が届きにくいし、出口から近いところも比較的狙われやすい。

地下鉄って大丈夫なの?

ニューヨークの地下鉄は治安の悪かった当時、観光客には勧められない危険な場所だったと聞く(1994年にジュリアーニ市長が就任後、市の治安改善に努め、その一環として地下鉄車内の落書きを一掃した)。また、COVID-19発生やその後のロックダウン時期は地下鉄利用者はグンと減ってしまった。

今でもその影響を受けてか、ニューヨーカー達が以前より「地下鉄に乗らず、歩くようになった」という声もよく聞く。ニューヨーク市内で利用者が増えているシティバイク(自転車)の影響もありそうだ。私自身も普段通勤で地下鉄を使わないことから、地下鉄に乗る頻度は月に1回あるかないか、だがこれまで受けた印象からすると、「早朝、深夜を除けば(今のところ)危険を感じたことはない」というのが率直な感想だ。もちろん、いつ、どんな事件に「巻き込まれるか」は予測できないが、世の中で言われているほど、マンハッタンの街や地下鉄は「物騒な」ところではない。

迷わず、安全に乗るために

自分なりに考えた傾向と対策は以下の通り。

・最初にメトロカードを買っておく。そして、できる時に十分な金額をチャージしておく(無人駅やバスの中でチャージ金額がないと何かと面倒なため)。

・まずGoogle Map等で行先の場所(現在地からの東西南北の大まかな位置づけ)、路線名、乗り換え駅やその際の方面(「Uptown」、「Downtown」)などを見て、頭に入れておく(スマホで見返すこともあるので画面はキープ)。

・行きたい駅の路線と急行が停車する駅か、各停だけの駅かどうかを確認しておく。また、地下鉄の入り口ホームは方角を間違えない!

・メトロカードのSWIPEは早過ぎず、ゆっくり過ぎず、適正なスピードで。また、エラーを避けるため、カードは極力折れない場所に保管する(カードはかつての日本のパスネット程度の厚み)。

・深夜、早朝など人が少ない時間の乗車は避ける。また乗車する場合、人が少ない車両、ドア付近、端の席はなるべく避ける(犯罪に巻き込まれないため)。貴重品はきちんと確保。


上記をクリアすれば準備万端!さらに、最近私は上述の「OMNY」をスマホに登録したばかり。次からはスムーズに「タッチ&ゴー」でスイスイ目的地に行けるだろうか?


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